砂川事件元被告の請求棄却 裁判公平性侵害を主張
2024/1/15
東京都砂川町(現立川市)で1957年、米軍立川基地に立ち入ったデモの参加者が起訴された砂川事件を巡り、有罪が確定した元被告らが、59年の最高裁判決前に最高裁長官が評議の状況を米国側に伝え、裁判の公平性が侵害されたとして国に慰謝料などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(小池あゆみ裁判長)は15日、請求を棄却した。
訴えていたのは元被告の土屋源太郎さん(89)ら3人。59年3月の1審東京地裁判決は無罪だった。最高裁が59年12月に無罪判決を破棄して差し戻す前、当時の田中耕太郎長官が評議の状況を米国側に伝え、公平な裁判を受ける権利が侵害されたと主張していた。
訴状によると、無罪判決について、田中長官が59年11月ごろ、「評議で支持されておらず覆されるだろう」と、駐日米大使に伝えたことなどが2008~13年に米公文書で判明した。
土屋さんらは米公文書を新証拠として再審請求したが、18年7月に再審開始を認めない判断が確定した(産経新聞)
砂川事件めぐる賠償訴訟きょう判決 “日米密談”の評価も注目
2024年1月15日 5時32分
1957年に東京のアメリカ軍の基地に学生らが立ち入り、その後有罪となった、いわゆる「砂川事件」をめぐり、当時の学生らが国を訴えている裁判の判決が、15日、東京地方裁判所で言い渡されます。当時の最高裁判所の長官がアメリカ側と非公式に会談し、判決に関する情報を事前に伝えていたことを示す公文書が後に見つかったことから、原告側は「不公平な裁判だった」と主張していて、こうした経緯をどのように評価するか注目されます。
「砂川事件」は1957年に東京のアメリカ軍の基地にデモ隊が入り、学生など7人が起訴された事件です。
1審は「アメリカ軍の駐留は憲法9条に違反する」として無罪を言い渡しましたが、最高裁判所が取り消し、その後全員の有罪が確定しました。