FBI、セス・リッチ殺害に関する情報公開を拒否—トランプ政権の粛清が進む中、疑惑が再燃
2025年2月3日
FBIがセス・リッチに関する記録の公開を引き続き拒否 していることが明らかになった。リッチは2016年にワシントンD.C.で射殺された元民主党全国委員会(DNC)のデータアナリストであり、事件は単なる強盗未遂とされた。しかし、リッチがDNC内部の情報をWikiLeaksに流出させた可能性が取り沙汰される中、FBIの情報隠蔽姿勢に対する疑念が強まっている。
弁護士タイ・クレヴェンジャーは、長年にわたりFBIに対しリッチに関する記録の公開を求めてきた。しかし、FBIは2023年9月、裁判所の命令にもかかわらず情報公開を66年間延期するよう求めた。その後、11月に連邦判事が再度証拠提出を命じたが、FBIは依然として情報を開示していない。
FBIが頑なに情報を公開しないことについて、クレヴェンジャー弁護士は「もはや単なる捜査の遅れではなく、意図的な隠蔽だ」と批判している。さらに、トランプ政権下でFBIの大規模な粛清が進む中、リッチの事件が再び注目を集めている。
FBIの情報公開拒否が続く一方、トランプ政権はFBIの大規模な人事刷新を実施 した。1月31日までにFBIの最上級幹部6名全員と、全米56の地方支局のうち25の支局長を解任。この動きは、FBI内部の腐敗を一掃することを目的とした「敵対的買収」とも形容されている。
さらに、司法副長官代理であり、元トランプ弁護団のエミール・ビーが、FBIに対し1月6日の議会襲撃事件に関与した職員のリスト提出を要求 していることも明らかになった。このリストには、捜査員や情報分析官を含む広範な職員が含まれる可能性があり、元FBI関係者は「非常に大規模なリストになるだろう」と述べている。
トランプ政権は、FBIの1月6日事件に関する捜査を「政治的捜査」と批判しており、今回の人事刷新もその延長線上にあると見られる。しかし、FBIがセス・リッチ事件に関する情報を公開しないことと、トランプ政権の粛清の間には、何らかの関連があるのではないか との疑念も浮上している。
特に、リッチの事件はDNCの機密情報流出と絡んでおり、FBIの隠蔽が何を意味するのか、多くのジャーナリストや独立系メディアが注視している。カシュ・パテルがFBI長官に就任する可能性が取り沙汰される中、FBIの姿勢が今後変わるのかが焦点となる。

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