JFK暗殺時に車に飛び乗った元SSヒル氏が死去/彼は生前「罪悪感を抱えて生きている」と語っていた
TGPによると、元シークレットサービス、クリント・ヒル氏(93歳)が亡くなった。ヒル氏は1963年にJFK大統領が暗殺された際、大統領の車に飛び乗って保護を試みたことで知られる。事件後は深い罪悪感から自殺未遂も経験し、60年後にその苦悩を公に語った。彼はケネディ暗殺時の車内にいた最後の生存者だった。
ヒル氏は当時31歳で、大統領警護のシークレットサービス要員の一人として勤務中、銃撃が起こった瞬間、大統領を守るため走行中のリムジンに飛び乗ったことで有名になった。彼は、大統領夫人のジャクリーン・ケネディがリムジンのトランクに這い出した際、彼女を車内へ引き戻そうとした人物である(後にファーストレディが拾おうとしていたのはケネディ大統領の頭蓋骨の一部だったと判明している)。
リンドン・ジョンソン政権のウォーレン委員会は、単独の左翼狙撃手、リー・ハーヴェイ・オズワルドが大統領を殺害したと断定したが、多くのアメリカ人はケネディ暗殺にはより広範な陰謀が働いていたと信じるようになり、最近の世論調査では、アメリカ人の57%が陰謀を信じている。
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1963年にダラスでジャッキー・ケネディ大統領夫人の警護にあたったシークレット・サービスのクリント・ヒル氏が93歳で亡くなった。ヒルは大統領専用リムジンの後部に飛び乗り、ファーストレディが車内に留まるようにしたことで知られている。
#RIP Secret Service Agent Clint Hill who has passed away at the age of 93. Hill served under five different U.S. Presidents and was the agent who leapt onto the back of President John F. Kennedy’s car to help Jackie after JFK was shot in Dallas in 1963. pic.twitter.com/i8NuHPnlGy
— U.S. Naval Institute (@NavalInstitute) February 24, 2025
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クリント・ヒル氏「私はシークレットサービスの捜査官だった。アメリカ大統領とその妻や家族を守る任務に就いていた。私の担当はジャクリーン・ケネディ夫人だったが、ケネディ夫人以前のファーストレディたちは買い物やバレエ鑑賞、カードゲームなどしか行わず、あまり活動的ではなかった。私はもっと活動的な任務を望んでいたので、最初はケネディ夫人の担当は期待外れだと思ったが、それが大きな間違いだったと後にわかった」
Clint Hill, the Secret Service agent assigned to protect First Lady Jackie Kennedy in Dallas in 1963, has passed away at age 93. Hill famously jumped on the back of the presidential limousine and ensured the First Lady remained in the vehicle as it sped away. pic.twitter.com/vU06b7klBq
— National Geographic TV (@NatGeoTV) February 25, 2025
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謙虚で英雄的な人物だったヒル氏は、生前インタビューで「任務中にJFKを失った罪悪感を毎日抱えて生きている」と語っていた。
RIP Clint Hill, 93.
The Secret Service agent who jumped on the back of President Kennedy’s limo during the assassination, to try to take the bullets. When I interviewed this humble and heroic man, he admitted he lived every day with the guilt of losing JFK on his watch. pic.twitter.com/OsMXKDGxwQ— Piers Morgan (@piersmorgan) February 24, 2025
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インタビュアー「シークレットサービスの要員にとって、自分が警護中の大統領を失うことほど重いことはないと思います。その責任を皆さんがどれだけ真剣に受け止めているかはよく理解していますが、あなた自身、この数十年間、その責任をどのように感じてきましたか?」
クリント・ヒル氏「私はずっと罪悪感を感じてきました。あの時、何かをできる立場にあったのは私だけでした。私は車両の左側にいて、銃声は右後方からでした。視界が大統領の車の後方を横切った時、大統領が喉を押さえ、左側へ傾くのを目撃し、即座に異変に気付きました。他の要員は銃声の方を向いていたため、大統領の車から視線が外れていました。私だけが唯一、行動できる状況にありました。それが何年も私を苦しめました。『あと少し早く到達できていれば』と考え続けました。近づきましたが、それでも間に合わなかったのです」
インタビュアー「どの程度早く着けば良かったのでしょうか?1秒でしょうか?2秒でしょうか?振り返って、何か他にできることがあったと思いますか?」
クリント・ヒル氏「1990年にダラスを再訪しました。ディーリー・プラザを歩き、銃撃があった教科書倉庫の6階に登って、現場を検証しました。角度、天候、あの日起こった全てを調べてようやく、あの日は狙撃手側が圧倒的に有利であり、我々側には何の有利さもなく、できることは他になかったという結論に達しました」
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