旧「500ドットコム」筆頭株主で清華紫光集団元会長の趙偉国氏に死刑判決 日本のIR汚職事件とも接点
5月16日
WSJ、Channelnewsasia、Englishnewsによれば中国の半導体大手・清華紫光集団の元会長であり、旧「500ドットコム」社の筆頭株主でもあった趙偉国氏が、汚職および横領の罪で執行猶予付きの死刑判決を受けたことが明らかになった。2025年5月14日、吉林省の中級人民法院が判決を下し、執行猶予は2年間。再犯がなければ終身刑に減刑される見通しである。
趙氏は国家資産約4億7,000万元(約6,500万ドル)を不正に取得し、親族や関係者に利益供与を行ったことで国家に約8億9,000万元(約1億2,400万ドル)の損害を与えたとされる。裁判所は「極めて重大な国家経済への背信行為」と断じ、死刑(執行猶予付き)に加え、政治的権利の終身剥奪、個人資産の没収、1,200万元(約167万ドル)の罰金を言い渡した。
清華紫光集団は1988年、名門・清華大学の支援を受けて設立された国家系企業で、中国の半導体産業育成政策の中核を担っていた。趙氏の下で、同社は積極的な買収攻勢により急成長を遂げたが、2020年に巨額の債務不履行に陥り、2022年に経営再編を余儀なくされた。

趙氏が実質支配していた旧「500ドットコム」社(現Bit Mining Limited)は、日本におけるカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致に関わり、国内政治スキャンダルの渦中にあった。
産経新聞(2024年12月2日付)によれば、東京地検特捜部の捜査に対し、2020年1月、旧「500ドットコム」社の関係者が秋元司被告(元IR担当副大臣)に加え、5人の国会議員に現金を提供したと供述したと報じられた。
名前が挙がったのは、自民党の岩屋毅元外相、中村裕之衆院議員、船橋利実参院議員(当時は衆院議員)、宮崎政久衆院議員、そして日本維新の会の下地幹郎元衆院議員である。このうち下地氏は100万円の受領を認め、維新の会を除名処分となった。他の4人は現金の受け取りを否定している。

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