トランプ大統領の大減税法案「ワンビッグビューティフルアクト」が下院予算委で可決！
5月19日
FOX、Wapoによると、2025年5月18日、ドナルド・トランプ大統領が推進する包括的税制・歳出法案「One Big Beautiful Bill Act」が、米国下院予算委員会において21対16で可決された。本法案には、チップへの課税撤廃、2017年のトランプ減税（2017年のトランプ減税（＊）の恒久化、高齢者向け控除の拡充、国防・国境予算の増額などが盛り込まれており、その総ページ数は1,100ページを超える大規模な内容である。
当初、共和党内の財政保守派が、メディケイド支出削減の不十分さや再生可能エネルギー優遇措置の温存を理由に反対票を投じ、一度は否決されたが、週末を通じた交渉の末に一部議員が棄権に転じたことで、再採決により可決に至った。
今後は下院規則委員会を経て本会議で採決される予定であり、共和党は7月4日の独立記念日までに法案を成立させ、トランプ大統領の署名を得ることを目指している。
この可決は、トランプ大統領の政策遂行にとって重要な進展である一方、米国の財政運営や社会制度の行方に大きな議論をもたらしている。
2017年のトランプ減税とは、正式名称を「減税・雇用法（Tax Cuts and Jobs Act, TCJA）といい、ドナルド・トランプ大統領（当時）が主導し、2017年12月に成立・施行されたアメリカの大規模な税制改革法。1986年以来最大規模の税制改正とされる。
1. 法人税の大幅引き下げ
• それまで35％だった連邦法人税率を21％に引き下げ。
• アメリカ企業の国際競争力強化を目的とした。
2. 個人所得税の減税
• 所得に応じた税率を見直し、多くの階層で税率が引き下げられた。
• 標準控除が大幅に拡大され、個人：6,350ドル → 12,000ドル、夫婦合算：12,700ドル → 24,000ドル。
• ただし扶養控除は廃止された。
3. 相続税（エステート税）の免除額引き上げ
• 課税対象となる遺産の基準額を大幅に引き上げ、高額資産家の負担が軽減された。
4. SALT控除の制限
• 州・地方税（State and Local Taxes）控除が最大1万ドルに制限され、高税州に住む中間層・上位層には増税となる側面もあった。
5. 国際課税制度の改革
• グローバル企業の海外利益に対する課税方式を変更し、米国外での利益の本国還流（repatriation）を促進。
• 一時的に低税率（15.5%または8%）での還流を認めた。
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