中国製太陽光パネルに懸念強まる スペイン大規模停電で
5月26日
日経アジアによると、4月下旬にスペインとポルトガルで発生した広範な停電を受け、部品の多くを中国から調達している欧州の太陽光発電インフラに懸念が高まっている。原因は調査中だが、サイバー攻撃の可能性も含めて当局の見解は分かれており、今回の停電は電力インフラのサイバーセキュリティの脆弱性を露呈した。
欧州ではファーウェイ製を含む中国製の太陽光部品が多く使われており、遠隔攻撃へのリスクが高まっている。専門家は、中国製インバーターを介したリモートアクセスが可能で、攻撃を受ければ欧州の電力網に深刻な影響を及ぼす可能性があると警告している。
「中国製太陽光パネルに懸念強まる スペイン大規模停電で」の英文記事をNikkei Asia @NikkeiAsia に掲載しています。
▶China-made solar parts under scrutiny after Spain-Portugal power cuthttps://t.co/BRciftZ4Za
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) May 26, 2025

Thetimes、Economictimes、Theaustralianによると、2025年4月28日にスペインおよびポルトガルで発生した大規模停電を受け、中国製の太陽光パネルおよび関連機器に対する懸念が国際的に高まっている。報道によれば、スペイン南西部の太陽光発電所において突発的な電力供給の喪失が発生し、わずか5秒間で全国の電力供給の約60%(15ギガワット相当)が停止したとされる。
この異常事態に関連し、デンマークの再生可能エネルギー業界団体「Green Power Denmark」は、東アジア(主に中国)から輸入された回路基板に「不審なコンポーネント」が含まれていた事実を明らかにした。これらの部品は、遠隔操作による電力妨害やスパイ活動の可能性があると警告しており、インフラの安全性への懸念が一層強まっている。

またアメリカでは、中国製インバーターに未記載の通信機器が組み込まれていたことが発覚し、国家安全保障上のリスクとして注目を集めている。特に、送電網に接続された装置からの情報漏洩や制御妨害の危険性が指摘されている。
これらの事案を背景に、再生可能エネルギー分野において中国製機器への依存度が高い国々では、エネルギーインフラの信頼性やサイバーセキュリティの確保が急務となっている。太陽光発電の拡大に伴い、電力網の安定性と供給の持続可能性を確保するためには、安全性に配慮した機器選定と通信機能の精査が求められている。
各国政府およびエネルギー関連機関は、インフラ防衛の観点から輸入機器の検証体制を強化し、将来的な供給妨害のリスクを回避する政策対応を迫られている状況である。

参考記事

