中国経済に壊滅的打撃の恐れ ホルムズ海峡封鎖が現実化すれば
6月22日
中東の緊張が高まる中、イランによるホルムズ海峡封鎖の可能性が現実味を帯びてきている。世界の原油の約20%がこの海峡を通過しており、特に中国とインドが最大の輸入先となっている。封鎖が数日続いただけでも、これらの国々のエネルギー安全保障に深刻な影響を与えることが予想される。
ホルムズ海峡はサウジアラビア、イラク、UAE、クウェート、カタール、イランなどの主要産油国が原油を輸出するための生命線である。2023年のデータによると、1日あたり約6.2百万バレルをサウジアラビアが供給し、イラクは3.2百万バレル、UAEは2.0百万バレルを輸送している。

輸出先の内訳を見ると、中国が1日あたり5.0百万バレルと最大の輸入国であり、インド(1.9百万バレル)、日本(1.7百万バレル)、韓国(1.7百万バレル)と続く。特に中国は輸入原油の相当量をホルムズ海峡経由に依存しており、同海峡が封鎖された場合、エネルギー供給の混乱に直面し、国内の経済活動に連鎖的な影響が出る可能性がある。
インドにおいても原油の約40%が同海峡を経由しており、短期間の封鎖でもエネルギー価格の急騰、製造業の停滞、インフレの加速といった経済的悪影響が懸念されるが、中国の方がより高いリスクを抱えているといえる。中国経済はすでに内需低迷と米中摩擦の影響を受けており、原油供給の遮断は「最後の一撃」となるおそれもある。

仮にイランが海峡を完全封鎖した場合、世界経済全体にも連鎖的な悪影響を及ぼす。原油価格は急騰し、各国の中央銀行は金融政策の修正を迫られる可能性がある。とりわけ原油価格に強く依存する新興国経済や、エネルギーコストが産業の根幹をなす国家には致命的打撃となりうる。
この地政学的リスクを踏まえ、各国は代替ルートの確保やエネルギー備蓄の再構築など、危機への備えを急ぐ必要がある。ホルムズ海峡の安定は、単なる地域問題ではなく、グローバルな経済安全保障の根幹を成す問題である。

「イランがホルムズ海峡を封鎖しようとするなら、インドにとっては非常に大きな懸念材料となる。我々の原油の40%はこの海峡を通じて輸入されており、数日でも封鎖が続けば悪夢のような事態になりかねない。ただし、中国の利害の方がさらに深刻である。」
India has a lot to worry about if the Iranians go for the Strait of Hormuz.
40% of our daily crude comes from the strait. Any blockade that lasts more than a few days could be a nightmare. China’s stakes are higher though. pic.twitter.com/cCJm7qefyS
— Tushar Gupta (@Tushar15_) June 22, 2025
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