SNSで爆発的拡散中:AIが生み出す「奇妙な猫動画」の世界とは
7月1日
近年、生成AIの進化が新たな動画ジャンルを生み出している。その最たる例が、ソーシャルメディアを席巻する「AI猫ドラマ」だ。生成・編集ツールの台頭により、まったく新しい“猫コンテンツ”が急増している。
その中でも特に注目を集めたのが、「猫が夫を裏切ってゴリラと浮気する」という動画だ。Instagramでは再生回数がすでに1億回近くに達しており、Xなどでも拡散され続けている。
この動画は、擬人化された猫とゴリラが泡風呂に肩を寄せて座るシーンから始まる。猫はビキニ姿で人間のような身体を持ち、ゴリラも同様に人間の表情や仕草を見せる。背景には石壁やキャンドル、緑豊かな観葉植物が配置され、ロマンチックな雰囲気が演出されている。完全に生成AIによって作られたこの世界は、現実と空想の境界を曖昧にし、見る者に強烈な印象を残す。

AIは「人間ドラマ」も創り出す時代へ
こうしたAI動画は、単なる奇抜な映像にとどまらず、明確なストーリーラインと感情表現を伴う“ミニドラマ”として機能している。猫が浮気し、裏切られた配偶者が嘆き、視聴者が感情移入するという構造は、従来の人間向けドラマと変わらない。それどころか、動物というギャップが視聴者に「笑い」と「衝撃」を与える。
ワシントン・ポストはこの現象について、「感情的で時に不気味なAI猫動画がSNSに溢れている」とし、その拡大を警戒している。スライドショー形式のAIストーリーが、視聴者の感情を巧みに揺さぶり、バイラル拡散を促進している点を指摘している。
かつて「猫動画」といえば単なる癒しコンテンツだった。しかし今や、AIの進化によって猫たちは恋愛、裏切り、悲哀、そしてドラマの主役となっている。この技術的進歩は、ユーモラスであると同時に、倫理や表現の限界にも新たな問いを投げかけている。

猫女:「 pregnant(妊娠している)! Mr. Whiskers、良いニュースよ」
猫男:「俺はお前のパパになるんだ」
猫女:「仕事頑張って、ベイビー」
猫女:「ベッドルームはこっちよ、ビッグボーイ」
猫女:「OMG、あなたって本当に大きいのね、haha」
猫男:「ラップトップを忘れちまった」
猫女:「oh no、彼がここにくる、隠れて」
(誰かが入ってくる音)
猫男:「ただいま、 honey」
猫女:「 hey baby」
猫男:「俺はまだまだいけるぞ」

2/ Cat cheats on her husband with a guerilla
Almost 100M views on Instagram. pic.twitter.com/ciJ4mjmfnb
— René Remsik (@aitrendz_xyz) June 30, 2025

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