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イーロン・マスク氏『アメリカ党』を正式に発足も、立ちはだかる現実の壁

政治

「マスク、かねてより予告していた『アメリカ党』を正式に発足」

ThedailybeastWashingtonpostBusinessinsiderなど複数の米メディアによると、7月5日、イーロン・マスク氏は新たな政治団体「アメリカ党(America Party)」を公式に発表した。これは、いわゆる二大政党に対抗し、約80%の中道層を代表することを目的としたものである。彼はこれまで共和党、さらには2024年のドナルド・トランプ氏の選挙にも資金提供してきたが、最近では連邦議会の巨額歳入歳出法案(通称「One Big Beautiful Bill」)に反対し、新党設立へと舵を切った 。

同党の基本方針は以下の通りである。「債務削減に注力し、責任ある歳出のみを許容する」「AI及びロボティクスによる軍事力の近代化」「AI競争での勝利を目指す技術推進」「規制緩和とエネルギー振興」「言論の自由の擁護」「出生率向上(プロナタリズム)の支援」など、技術革新と自由主義的視点を併せ持つ中道路線を掲げる。

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だが、専門家らはこの新党が直面する現実的な課題を指摘している。全米で主導権を握る現行の選挙制度や州ごとに異なる政党登録・選挙権取得の手続き、そして第三勢力としての歴史的な弱さがそれである。さらに、地元組織や草の根支援の不足が勝利の実現を難しくしており、有力候補の擁立や当選には時間と継続的な活動が不可欠とされる 。

マスク氏はまず2026年中間選挙で「ある特定の重要な上院・下院選挙区に絞って支援を行う」という戦略を明かしている。また、アメリカ人の投票意識に変化があれば、2028年の本格候補擁立も視野にあるという。

アメリカ党は資金力と話題性に頼るだけではなく「レーザーフォーカス」による攻めの選挙戦略を選ぶ意向だが、制度的なハードルと第三勢力としての限界がその実効性を左右することになる。現時点では影響力よりむしろ「棘」として共和党や民主党への圧力装置になる可能性が高いとの見方が支配的である。

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マスク氏のアメリカ党が直面するであろう6つの主な課題

1. 候補者の擁立と信頼性の確保
 信頼のある候補者を全国規模で集めるのは容易ではなく、有権者の支持を得るには地道な政治経験と実績が必要

2. 既存政党との制度的ハードル
 アメリカの選挙制度は民主・共和の二大政党に有利に設計されており、第三党の台頭は制度的に非常に困難

3. 全国的な政党インフラの欠如
 州レベルの登録、資金管理、選挙活動などを支える支部や人員の構築が急務

4. イデオロギーの曖昧さ
 「中道」や「技術重視」の立場は抽象的で、政策軸としての明確さと選挙戦略の整合性に欠ける恐れがある

5. 保守票の分裂による“敵視”リスク
アメリカ党が保守層の一部を切り崩すことで、共和党支持者から「票を割る敵」と見なされる可能性がある。これにより、マスク氏や党自体が右派メディアや有権者から激しく攻撃され、結果的に中道戦略にも支障を来す恐れがある

6. 資金力とSNS人気の限界
 資金力やXでの発信力があっても、実際の投票行動や政治動員には直結しないという現実

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イーロン・マスク氏「2対1の割合で、皆さんは新しい政党を望んでいる――ならば、それを手にすることになる!この国を無駄と汚職で破綻させているのは、民主主義ではなく、実質的に一党支配体制だ。本日、アメリカ党を結成する。我々は、あなたの自由を取り戻すために立ち上がる。」
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イーロンは、「ほとんどの問題で中道を目指す」と語った。主な政策は以下の通り:
• 債務削減、責任ある支出のみを許容
• AIとロボティクスで軍を近代化
• AI開発を強力に推進し、テック競争に勝つ
• あらゆる分野で規制を緩和、特にエネルギーに注力
• 言論の自由を守る
• 出生率向上のための「プロナタリズム(出産奨励)」を支援

「立ち上げは間近だ。アメリカ・パーティー(The America Party)は本物だ」

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