米公共放送機構(CPB)が閉鎖へ 地方メディアに転機 保守層からは歓迎の声
Theguradian、APなどによると、アメリカの公共放送を支援してきた「公共放送機構(CPB)」が、トランプ政権による助成金の打ち切りを受け、2025年9月末をもって事実上閉鎖される見通しとなった。CPBは長年にわたり、PBSやNPRなど公共テレビ・ラジオ局への資金援助を通じて地域社会への情報発信を支えてきたが、役割を終える。
トランプ政権はかねてより、イデオロギー的偏向のある公共メディアに資金を出すべきではないとの立場を取ってきた。特にPBS(公共放送サービス)やNPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)については、保守的立場から「左派に偏っている」との批判が強く、トランプ氏自身も過去にNPRについて「反米的」と非難した経緯がある。
共和党主導の議会は、7月に通過した予算関連法案の中で、CPBに対する年間5億ドル規模の助成金を段階的に廃止する方針を決定。2026年度予算では支援をゼロとする。これにより、全米1,500以上の公共メディア局への配分が停止され、CPBも人員削減を経て完全閉鎖される。

これについて、保守系の有権者や議員からは歓迎の声が相次いでいる。連邦予算の削減と小さな政府を志向する立場から、「偏向報道に税金を使う時代は終わった」「公共放送は民間と同様に自立すべきだ」とする意見が強まっている。
実際、長年にわたってPBSやNPRは左派寄りの報道姿勢を批判されており、トランプ政権以降、CPBの存在意義を疑問視する声が増加していた。今回の閉鎖は、そうした流れの延長線上にある。
今後、公共放送の運営は州政府や民間の寄付によって存続が図られる見通しだが、地方の小規模局では事業継続が困難になる例も出てくるとみられる。一方で、連邦政府の資金に依存しない報道体制を築く契機として、改革の第一歩と捉える向きもある。

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