南シナ海でフィリピン船を妨害中、中国船同士が激突 米ネットは中国を大批判
8月13日
ロイター、AP、Guardian、TGPによると、2025年8月11日、南シナ海スカボロー礁付近で、中国海警局船CCG3104が中国海軍ミサイル駆逐艦「桂林」(164番艦)と衝突し、CCG3104は艦首や前甲板に深刻な損傷を受けて航行不能となった。
事故は、フィリピン沿岸警備隊のBRPテレサ・マグバヌアとBRPスルアンが漁船MVパママラカヤおよび地元漁船35隻を伴い、西方排他的経済水域で物資補給を行う「Kadiwa作戦」中に発生。中国側は両沿岸警備隊船を挟み撃ちにし、高圧放水を至近距離で浴びせる狙いだったとみられるが、CCG3104がBRPスルアン追跡中に危険な接近を試み、反対側から接近していた桂林と衝突した。

フィリピン側の救援申し出に中国は応じなかった。また、中国海警局の報道官は11日の声明で「現場での操船は合法的なものだった」と主張した。専門家は駆逐艦の直接関与を「過剰かつ異例」と指摘。通常、中国海軍は前線から距離を置き、海警局が対処するため、今回の事故は両国間の緊張の高まりを示す深刻な事案とされる。スカボロー礁は2012年の中国実効支配以来、フィリピン船舶への体当たり、放水、レーザー照射などの威嚇が常態化。
2023年2月にはレーザー照射で乗組員が被害を受け、2024年3月には放水で窓が破損し負傷者も出た。2024年4月には複数船が体当たりと放水を行い、漁民も威嚇。2025年1月には漁業調査が中止に追い込まれた。中国は歴史的権利を根拠とする「九段線」により南シナ海の約9割を主張するが、2016年の国際仲裁裁判所は法的根拠なしと判断。
中国は判決を無視し、国際水域を事実上の領海化する「海洋領土化」を推進している。南シナ海は年間3.36兆ドルの貿易路で、中国のエネルギー輸入の8割が通過、漁場や石油・天然ガス資源も豊富。中国は国連海洋法条約加盟国だが、米国が法の執行役を担い、中国が最大の違反国となっている。

南シナ海でフィリピン沿岸警備隊の船を追跡していた中国沿岸警備隊の船が中国海軍の駆逐艦に衝突。
NEW: Chinese Coast Guard ship crashes into a Chinese navy destroyer as the two ships were both chasing a Philippine coast guard ship in the South China Sea.
Yikes.
Philippine patrol boats were escorting dozens of fishing boats when Chinese ships tried to intimidate them by… pic.twitter.com/7YxGdPv10A
— Collin Rugg (@CollinRugg) August 11, 2025
Footage from today captures a Chinese Navy vessel striking a Chinese Coast Guard vessel while chasing the Philippine Coast Guard near Scarborough Shoal, within the Philippines’ EEZ – a vivid example of how perilous & reckless Beijing has become in the South China Sea pic.twitter.com/xa7yrVgMbE
— Damien Symon (@detresfa_) August 11, 2025

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