日本の4都市をアフリカ諸国の「ホームタウン」に 海外メディアは特別ビザ協定と報道
8月25日
Business Insider Africa、Nairametrics、Forbesafricaなど複数の海外メディアは、日本政府がアフリカ4カ国との「移民協定」に基づき、国内4都市を公式な「ホームタウン」として指定し、特別ビザを設けると報じた。Business Insider AfricaやNairametricsなどによれば、対象となったのは千葉県木更津市(ナイジェリア)、山形県長井市(タンザニア)、新潟県三条市(ガーナ)、愛媛県今治市(モザンビーク)であり、労働力確保や人材交流を目的とした制度だと伝えられている。
この動きは、8月20日から横浜市で開かれた第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の場で示されたもので、日本の少子高齢化や労働力不足に対応すると同時に、対アフリカ外交を強化する戦略の一環と位置付けられている。報道によれば、特別ビザ制度は高スキル人材や研修希望者の受け入れを念頭に置いており、文化交流や経済連携の拡大も目的とされる。

一方、日本国内ではこの報道に波紋が広がっている。熊谷千葉県知事は「関与していない」とし、SNSはデマと否定し、自分で調べるべきと発信。木更津市は25日、市長名義で「移民受け入れや特別就労ビザ創設を依頼した事実はない」とする声明を発表。事業の実態は野球やソフトボールを通じた教育・文化交流であり、移民政策とは無関係だと強調した。
SNS上では「事実上の移民受け入れではないか」「完全に既成事実が作られた」「石破に類する首長たちがが地方にも跋扈している」「このままでは日本は終わり」といった懸念の声が相次ぎ、市役所がグーグルマップ上で「ナイジェリア市役所」と表記される事態も起きた。
海外メディアが伝える「特別ビザ」と、国内自治体が説明する「交流促進」の間には大きな齟齬がある。

熊谷知事「私は関与していないが、心配ない。SNSはデマ。インプレッション稼ぎのアカウントの話には気をつけろ」
今月横浜市で開催されたアフリカ開発会議に合わせ、JICAが木更津市等をアフリカ各国の「ホームタウン」に認定し、双方の交流を後押しする取組の話ですか?
この件について県は直接関与していませんが、木更津市は東京五輪でナイジェリアチームの事前キャンプ地となる等、以前から交流があります。… https://t.co/lXvDUYewv3
— 熊谷俊人(千葉県知事) (@kumagai_chiba) August 24, 2025
熊谷知事「自分で公式情報を調べろ」
何が違うのか、具体的に示してください。
もちろん、JICAのホームタウンプロジェクトによって何が変わるのか、この取組自体の詳細を正しく調べ、そして木更津市がこれまでどのような交流をしてきたのかも調べた上で、ですよ。…— 熊谷俊人(千葉県知事) (@kumagai_chiba) August 24, 2025

木更津市長 渡辺 芳邦氏「特別ビザは事実ではない」(抜粋)
JICAアフリカ・ホームタウン認定の件につきまして、たくさんのご意見を頂戴し、誠にありがとうございます。
令和7年8月21日に、「第9回アフリカ会議(TICAD9)」のテーマ別イベントとして開催された「JICAアフリカ・ホームタウン・サミット」において、本市がナイジェリア連邦共和国のホームタウンとして認定された件につきまして、一部のSNS等で報じられている移住・移民の受け入れやナイジェリア国における特別就労ビザ等の発給要件の緩和措置などの事実は、本市から何ら要請した事実はなく、また、一切承知しておらず、SNS等で報じられている事実もございません。
JICAアフリカ・ホームタウン認定状交付に係る木更津市の見解
一部のSNS等で報じられている、移住・移民の受け入れ等の事実は、一切ございません。
木更津市長のコメントを公表いたしましたので、詳しくはこちらをご覧ください。https://t.co/GLY48PMWUd— 千葉県木更津市(公式) (@kisarazu_city) August 25, 2025

参考記事


(画像:がい務省)