ドイツの研究、ラットが飛ぶコウモリを空中捕食 ウイルス感染拡大の懸念
ドイツ北部で行われた最新研究により、ラットが暗闇の中で飛行中のコウモリを捕らえる様子が初めて記録された。赤外線と熱撮影カメラによる観察で、野生のブラウンラットがコウモリを空中で捕食する行動を示したことが確認された。研究チームは、ラットがヒゲを使ってコウモリの羽ばたきによる微細な気流を感じ取り、視覚に頼らず狩りを行っていると分析している。
この発見は、生態系だけでなく公衆衛生にも影響を及ぼす可能性があると専門家は警鐘を鳴らす。コウモリはコロナウイルスやパラミクソウイルス( coronaviruses and paramyxoviruses)など多くの病原体を保有しており、ラットとの直接的な接触により、これらのウイルスがげっ歯類に感染拡大する恐れがある。研究は、コウモリとラットという二つの主要な病原体保有野生動物が都市部で交わることにより、感染経路の変化や新たな人獣共通感染症のリスクを生む可能性を指摘している。
論文は学術誌「Global Ecology and Conservation」に掲載され、ベルリン自然史博物館の研究者らが中心となって行われた。研究チームは「ラットの捕食行動はコウモリの生息地保全にも新たな課題を投げかけている」としており、都市環境における野生動物間の相互作用が今後の感染症管理の焦点となると強調している。(引用:ScienceDirect)
ドイツの研究で、ラットが空中を飛ぶコウモリを捕らえる様子が初めて確認された
ラットは暗闇の中で狩りを行い、ヒゲを使いコウモリの羽ばたきによる気流を感じ取っていた
コロナウイルスなど、コウモリ由来の病原体が「人間や家畜」への感染リスクの増大につながる可能性がある pic.twitter.com/u1vcEjqh9c
— TotalNewsWorld (@turningpointjpn) November 5, 2025