強制送還で「弁護士通知」廃止へ 逃亡防止狙いで制度見直し
出入国在留管理庁は、不法滞在などで強制送還対象となった外国人の手続きに関するルールを見直し、代理人弁護士に送還予定時期を原則2か月前に知らせる「弁護士通知」制度を今年中にも廃止する方針を固めた。
この制度は、送還の取消訴訟などで裁判を受ける権利を確保する目的で2010年に当時の入管当局と日本弁護士連合会(日弁連)の合意で導入されたが、通知を受けて送還前に対象者が逃亡する事案が複数件発生したことが背景にある。
読売新聞によれば、通知後に逃亡したケースは2019年以降で少なくとも7件確認されており、SNSなどで送還予定が拡散した事例や、送還が中止となり高額な航空券キャンセル料が発生した事例もあるという。入管庁は日弁連と協議を進め、弁護士通知の廃止意向を伝えた。
なお、本人に対して「1か月後以降に送還する予定である」といった簡略な事前通知は継続する方針とされている。弁護士側は合意違反や人道上の問題があるとして通知維持を求めているが、入管庁側は逃亡防止と手続きの厳格化を優先した判断を進めている。(引用:読売新聞オンライン/Yahoo!ニュース)
ネットの声
弁護士通知が廃止される方向というのは、強制送還の運用を徹底したいという入管側の強い意図がうかがえる。
通知が逃亡につながってしまう事例が複数出ている以上、制度見直しの議論が出るのは当然だと思う。
一方で弁護士側が「裁判を受ける権利」の観点から維持を求めている点も無視できない。
「弁護士通知」があったために逃亡されたという報告がある以上、制度そのものの再検討は必要だったのだろう。
実際に送還予定がSNSで拡散したという話を聞くと、ルールそのものの効果と副作用を考えざるを得ない。
今回の方針変更は、不法滞在や犯罪防止を重視する立場からすれば理解できる部分もある。
ただし「裁判を受ける権利」という基本的人権の観点との兼ね合いは今後も議論が続くだろう。
入管庁が通知方法を見直すことによって、逃亡防止と透明性の確保をどう両立させるかが課題となる。
対象者の人権保護と強制執行の厳格化という2つの価値をどう調整していくのかが今後の焦点になる。
社会全体として、不法滞在や強制送還制度をどう捉えるかの議論も深まるべきだ。