バンクシーの正体を特定:ロイター通信 手がかりは四半世紀前の逮捕
英国の覆面ストリートアーティスト、バンクシーの正体をめぐり、ロイター通信は13日、人物を特定したとする特別リポートを配信した。報告によると、バンクシーは英タブロイド紙などが過去に指摘してきた通り、現在50代の英国人男性であるという。特定の手がかりとなったのは、約25年前の捜査資料だった。
当時、英国でスプレーを使ったグラフィティ行為に関連する捜査が行われ、その記録の中に現在のバンクシーとみられる人物の情報が残されていたという。活動地域や時期、当時の行動などが、後に世界的に知られるようになるバンクシーの活動と重なる点が多いとされる。
バンクシーは社会風刺的なグラフィティ作品で国際的な名声を得た匿名アーティストで、作品は英国を中心に世界各地に出現してきた。長年にわたり正体は公表されておらず、これまでも複数の人物名が取り沙汰されてきたが、本人による公式な確認はない。今回のロイターの特別リポートは、過去の捜査資料を基に人物像を改めて示した形となる。
ロイターは今回、バンクシーが有名になる前の2000年9月、広告看板に落書きをしたとしてニューヨーク市警に逮捕された際の捜査書類を入手。バンクシーの本名は「ロビン・ガニンガム(Robin Gunningham)」で、手書きで署名した供述書も含まれていたという。(ロイター、朝日新聞、NYP)
バンクシーの正体は、何十年もの間、議論を呼び、厳重に守られてきた。その謎を解く探求は、ロイターを爆撃で荒廃したウクライナの村からロンドン、そしてマンハッタンの中心部へと導き——名前以上の多くのものを明らかにした。
Banksy’s identity has been debated, and closely guarded, for decades. A quest to solve the riddle took Reuters from a bombed-out Ukrainian village to London and downtown Manhattan — and uncovered much more than a name.
🔗 Read the full investigation: https://t.co/3WoD8uaKhC
✍️… pic.twitter.com/FKtwQVpPNA— Reuters (@Reuters) March 13, 2026
2022年のロシアによる侵攻後、取材のためにウクライナを行き来していたとき、爆撃で破壊されたホレンカ村にバンクシーの壁画の一つが突然現れたのを見て、私は驚かされた。
匿名のストリートアーティストがいったいどうやってこれを実現したのか。そして、バンクシーとは本当は誰なのか。
彼は世界で最も人気のあるアーティストの一人であり、私は長年その作品に魅了されてきた。やがて同僚たちとともに調査を始めた。
私たちは数十年前の文書を掘り起こした。その中には、アーティスト本人の署名入りの手書きの告白文書も含まれていた。また、多くのインタビューも見つけた。バンクシーの元マネージャーへの取材を含め、それらは「バンクシー」という存在が築き上げた産業の実態や、彼が自分の正体を隠すためにどれほど努力してきたかを明らかにしている。
私たちは最終的にバンクシーの正体という謎を解き明かした。しかし同時に、この影響力の大きいアーティストについて、さらに多くのことが見えてきた。
今回の調査では、ウクライナでバンクシーと共に活動した有名なパートナーの名前も明らかにする。また、彼の匿名性がブランド構築においてどのような役割を果たしてきたのか、そして反体制的な人物であるはずの彼が、いまや英国の権力層とどのような関係にあるように見えるのかも探っている。
神秘性を好むファンにとっては、この話は歓迎されないかもしれない。しかし、バンクシーが持つ文化的影響力や政治的議論を動かす力を考えれば、彼についてより多くを知ることには公共の正当な関心があると私たちは判断した。
これは、芸術、ビジネス、そして矛盾をはらんだ存在であるバンクシーの物語であり、私たちが美術界最大級の謎の一つをどのように解き明かしたのかを描いたものである。