103万円の壁が撤廃されても、130万円の壁撤廃でほとんどの中小企業の労働者は15%増税になる
共同通信によれば自民、公明、国民民主3党は2024年11月19日、年収103万円を超えると所得税が発生する「103万円の壁」を引き上げる方針を経済対策に盛り込むことで大筋合意した。
また、2024年11月11日付の日経新聞では、政府がパート労働者の厚生年金適用要件である「年収106万円の壁」を撤廃する方針を固めたと報じている。これら2つの壁の撤廃は、表向きには労働市場を活性化し、パート労働者の収入向上を促す政策とされているが、実態は異なる。
「103万円の壁」が撤廃されても、パート主婦らの手取りにはほとんど変化がない。所得税が発生するラインが引き上げられるだけで、実質的な負担増はあまりないためだ。
アゴラによれば「106万円の壁」の撤廃は状況を大きく変える。2025年4月から施行予定のこの改正により、年収106万円未満のパート労働者も厚生年金の適用対象となり、社会保険料の負担が発生する。厚生年金や健康保険料を支払うことになり、パート主婦の手取り収入は大幅に減少する。
中小企業にとっても大事件。社会保険料は人件費の約30%だから、大幅な増税になる。社会保険料は赤字法人でも徴収される「第2法人税」で、その半分は従業員が払うので、厚生年金に入った途端に15%手取りが減る。
厚生労働省や政府の狙いは国民年金の赤字を埋めるため、中小企業やパート労働者に社会保険料を広く負担させること。第3号被保険者を減らし、第2号被保険者(厚生年金加入者)を増やし、財政を安定化させる狙いがある。
この改正は中小企業や低収入労働者に多大な負担を強いる。このような改正の背景や影響をメディアは報じない。
池田信夫氏「130万円の壁は今度の年金法改正でなくなる予定だが、逆にすべての中小企業の労働者が15%増税になる(ほとんどの人はそれを知らない)」
パートの主婦は年収103万円の壁がなくなってもほとんど変わらないが、年収106万円の壁がなくなると、来年4月から15%の大増税になる。今のところ、これを報じているのは日経だけ。 https://t.co/v9o26iabrv
— 池田信夫 (@ikedanob) November 19, 2024
そしてマスコミはこの15%の増税を殆ど報じない。中小企業の倒産が増えて労働者が苦しみ出してから騒ぐように静かに待機している様で不気味だ。
そして、この15%増税を放置して手取りが減ることで、手取りを増やすという国民の期待を裏切ることになる国民民主の命運も残念ながら尽きるだろう。 https://t.co/5S8E4ZrdbZ— ITOH Tamitake (@silver_plasmon1) November 20, 2024
大企業のサラリーマンには関係ないが、中小企業、バイト生活者には大変な問題。消費税ゼロになっても、年収が低ければ10%の増収にしかならないが、一挙に30%も収入が減るのに野党もメディアも沈黙している。アホなのか。
Yahoo記事コメント抜粋(103万の壁撤廃を賞賛するコメントがほとんど)
「103万円の壁がなくなることで、もっと働けるようになります。家計が助かります」
「これで収入を気にせず働ける。やっと不公平な制度が見直されるんですね」
「働きたいのに収入制限があって困っていました。壁の撤廃は嬉しいニュースです。」
「103万円の壁がなくなることで、労働時間を増やせます。生活が楽になります」
「収入制限を気にせず働けるようになるのはありがたいです。早く実現してほしい」
「これでパートでもしっかり稼げるようになります。家計にとって大きなプラスです」
「103万円の壁が撤廃されることで、スキルアップのための仕事も増やせます」
「収入制限がなくなることで、働く意欲が湧いてきます。良い方向への改革ですね」
Yahoo記事コメント抜粋(批判的なコメントは限定的)
「社会保険料の適用拡大は中小企業にとって大きな負担です。人件費が増加し経営が厳しくなる懸念」
「年収の壁を超えると、社会保険料の負担で手取りが減ってしまいます。働く意欲が削がれます」
「中小企業は人手不足でも、社会保険料の負担増で新たな雇用が難しい状況で。」