イーロン・マスク氏、974億ドルでOpenAI買収を提案──サム・アルトマンとの対立激化

イーロン・マスク氏、974億ドルでOpenAI買収を提案

イーロン・マスク率いるグループが、世界最大のAI企業OpenAIの買収に974億ドルを提示。

JUST IN: Elon Musk-led group offers $97.4 billion to buy OpenAI, the world’s largest AI company. pic.twitter.com/QdjjoLO8ui

— BRICS News (@BRICSinfo) February 10, 2025

イーロン・マスク氏は、ChatGPTを開発するOpenAIを統括する非営利団体の支配権を握るため、974億ドル（約14兆8000億円）という驚異的な買収提案を行った。

この買収案は、マスク氏の代理人であるマーク・トベロフ弁護士を通じて月曜日に提出され、AIの未来を巡るマスク氏とOpenAIのCEOサム・アルトマン氏との長年の対立をさらに激化させた。

マスク氏は、OpenAIが本来のビジョンから大きく逸脱し、AIの安全性よりも企業利益を優先していると主張。「OpenAIは、かつてのオープンソースで安全性を重視する善の力に戻るべきだ。我々がそれを実現させる」と強調した。

この買収案には、マスク氏のAI企業xAIのほか、Valor Equity Partners、Baron Capital、8VC、さらにはハリウッドの重鎮アリ・エマニュエル氏らが出資。買収が成立すれば、OpenAIはマスク氏のxAIと統合され、マイクロソフトが支援するAI事業の直接的な競争相手となる可能性がある。

一方で、アルトマン氏はOpenAIの営利部門を独立した法人へと転換する計画を進めている。現在、最大400億ドルの資金調達を進めており、企業評価額は最大3000億ドルに達する可能性がある。ソフトバンクも主要投資家として名を連ねると報じられている。

さらに、マスク氏はOpenAIに対する法的措置も講じており、同社が非営利団体としての使命を放棄し、マイクロソフトに過剰な影響力を与えていると非難。マスク氏の弁護団は、「OpenAIの価値はこの変革によって過小評価されており、公正な補償を確保するため、いかなる競争相手にも対抗する準備がある」と述べている。

法廷闘争、巨額の資金調達、そしてAIの未来を巡る覇権争い──この戦いは、まだ終わりそうにない。

Bloomberg、Reutersによるとウォールストリート・ジャーナル（WSJ）の報道によると、イーロン・マスク氏の代理人であるマーク・トベロフ弁護士は、マスク氏のグループが974億ドル（約15兆円）でOpenAIの買収を一方的に提案したと述べた。

OpenAIはこの件に関する正式なコメントを拒否しており、トベロフ弁護士からの回答も得られていない。WSJによれば、この買収案はマスク氏のAI企業xAIが主導しており、買収が成立すればOpenAIとの統合も視野に入れているとされる。

マスク氏の弁護士は2月10日にOpenAIの取締役会に買収案を提示。マスク氏は弁護士を通じた声明で、「OpenAIはかつてのようにオープンソースで安全性を重視する組織に戻るべき時が来た。われわれはそれを実現させる」と強調した。

今回の買収提案にはマスク氏が率いるAIスタートアップxAIが深く関与しており、買収が成功すればxAIとOpenAIが統合される可能性があるという。

マスク氏とアルトマン氏は、OpenAIの方向性を巡って長年対立してきた。マスク氏はOpenAIが本来掲げていた「人類の利益」「開放性」「安全性」という理念を放棄したと公に批判しており、OpenAIの商業化を強く非難している。

マスク氏は2015年にアルトマン氏と共にOpenAIを設立したが、同社が飛躍する前に離脱。その後、2023年にはOpenAIと競合するxAIを立ち上げた。