AfDワイデル党首、市民手当を痛烈批判 「受給者の半数は外国人」
ドイツで大きな議論を呼んでいるのが、市民手当をめぐる問題である。市民手当は2023年に導入された新たな社会保障制度、失業者や生活困窮者に生活費や住居費を支給するもので、日本の生活保護にあたる。しかし近年、この制度の受給者の構成に関するデータが波紋を広げている。統計によれば、受給者の約半数は外国籍であり、そのうち相当数は一度も就労経験を持たない人々であるとされる。
こうした状況を背景に、右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の党首アリス・ワイデル氏は、与党第一党であるキリスト教民主同盟(CDU)を名指しで批判した。ワイデル氏は「メルツ党首は選挙で多くの約束をしたが、守られていない。市民手当の改革もその一つだ。受給者のほぼ50%が外国人で、3分の1は一度も働いたことがない。それでもCDUのおかげで現状は変わらない」と指摘し、メルツ党首の姿勢を強く非難した。

ワイデル氏の発言は、移民政策や社会保障制度をめぐる不満を代弁するものである。ドイツでは2015年の難民受け入れ以降、社会の統合や治安、財政負担をめぐる議論が続いてきた。特に生活保護や手当の受給者に外国人が多いという事実は、国民の間に「勤労者が税金で支えている」という不公平感を生みやすい。AfDはこの不満を取り込み、移民制限や制度改革を主張することで支持を拡大している。
一方、CDUをはじめとする既成政党は、人道的責務や社会的連帯を理由に現行制度を維持しており、抜本的改革には及び腰だ。この温度差こそが、AfDの支持率上昇の一因となっている。ワイデル氏の発言は、単なる挑発ではなく、現在のドイツ社会が抱える構造的な矛盾を浮き彫りにしていると言えるだろう。

メルツがまだ破っていない選挙公約はほとんど残っていない――今回新たに破られたのは市民手当の改革である。受給者のほぼ50%は外国人であり、3分の1はこれまで一度も働いたことがない。それでもCDUのおかげで、この状況は変わらないだろう。
Es gibt nicht viele Wahlversprechen, die Merz noch nicht gebrochen hätte – die ausbleibende Reform des Bürgergelds ist nun das nächste. Fast 50% aller Bezieher sind Ausländer, ein Drittel hat noch nie gearbeitet. Dank CDU wird sich daran nichts ändern. pic.twitter.com/4WJpYWEyea
— Alice Weidel (@Alice_Weidel) September 4, 2025

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