「民族浄化に相当」 ガザ侵攻に警告―国連専門家
2023年10月15日
国連人権理事会の専門家は14日、イスラエル軍が準備しているパレスチナ自治区ガザへの侵攻を「自衛の名の下に、(パレスチナ人に対する)民族浄化に等しいことを正当化しようとしている」と強く警告した。また、各国に対し、即時停戦に向けた努力が必要だと呼び掛けた。パレスチナの人権状況を調査している特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼ氏が声明を発表した。
同氏は、1948年のイスラエル建国に際し、70万人以上のパレスチナ人が家を追われた「ナクバ(大惨事)」が再現される可能性があると指摘。「国際社会はこうしたことが繰り返されないよう、あらゆる手を尽くさなければならない」と訴えた。(時事通信)
フランチェスカ・アルバネーゼ氏「緊急-パレスチナ人の大量強制移住は、1947/49年と1967年に発生し、それ以来、目に見えにくくはなったが、苦痛に劣らない形で続いている。今回、私たちの監視下で、これまでと同様に残酷なことが行われる危険性があり、一部の加盟国はそれを可能にする危険性さえある。
パレスチナ人は集団民族浄化の重大な危険にさらされていると国連専門家フランチェスカ・アルバネーゼが警告、国際社会に対しハマスとイスラエル 軍の即時停戦を仲介するよう要請
URGENT- Mass forced displacement of Palestinians has occurred in 1947/49 and 1967, and continued ever since, in less visible but not less painful forms. This time it risks to be as cruel as ever, under our watch, with some member states even risking to enable it. #CeasefireNow. https://t.co/F4oZrI8AHf
— Francesca Albanese, UN Special Rapporteur oPt (@FranceskAlbs) October 14, 2023
「私たちが目撃しているのは、1948年のナクバ事件と1967年のナクサ事件の、さらに大規模な再現であるかもしれないという重大な危険がある。国際社会はこのようなことが再び起こらないようあらゆる手段を講じなければならない」と国連の専門家は述べた。
同氏は、イスラエルの公務員らが新たなナクバを公然と支持していることを指摘した。ナクバとは、イスラエル建国のきっかけとなった敵対行為中に75万人以上のパレスチナ人が家や土地から追放された1947年から1949年の出来事を指す言葉である。1967年にイスラエルによるヨルダン川西岸とガザ地区の占領につながったナクサでは、35万人のパレスチナ人が避難を余儀なくされた。
「イスラエルはすでに戦争の霧の中でパレスチナ人の大規模な民族浄化を行っている」と専門家は述べた。「繰り返しになりますが、イスラエルは自衛の名の下に、民族浄化に相当する行為を正当化しようとしている。
「イスラエルによる継続的な軍事作戦は国際法の限界をはるかに超えている。悲劇的な歴史が繰り返される前に、国際社会は今すぐこのようなひどい国際法違反を止めなければならない。時間は極めて重要だ。パレスチナ人もイスラエル人も、平和、権利の平等、尊厳、自由の中で生きる権利がある」とアルバニーズ氏は語った。