中国高官の米亡命報道、ゴードン・チャン氏「事実なら共産党政権崩壊の可能性も」
2021年6月22日 12時55分
米国の作家で中国専門家のゴードン・チャン(Gordon Chang)氏は、中国国家安全部(省)の董経緯副部長(次官級)が米国に亡命したのが事実であれば、「中国共産党政権が一夜のうちに崩壊する可能性さえがある」と発言した。
米フォックスニュースなどの複数のメディアはこのほど、中国情報機関の高官が米国に亡命したと報じた。米メディアは、この高官は「史上最高位の亡命者だ」とした。これを受けて、ネット上では、亡命者は中国国家安全部の董経緯副部長だとの噂が広まった。
米中の国交断絶もあり得る
ゴードン・チャン氏は19日、米メディア「Newsmax」とのインタビューで、「この報道は爆弾のようなインパクトがあるため、今後様々な影響が出てくると思う。米中の国交断絶もあり得る話だ」と述べた。
各国の情報機関に詳しい米メディア「SpyTalk」によると、董氏は今年2月中旬、カリフォルニア州の大学で就学している娘を訪ねるという目的で米国に入国した。入国した直後に米国防情報局(DIA)に連絡したという。
SpyTalkによれば、董氏がバイデン政権に提供した情報によって、バイデン政権は武漢ウイルス研究所に対する態度を変え、新型コロナウイルスの起源について改めて調査を行うと指示した。また、董氏が提供した他の情報も、驚愕するものばかりだという。「彼は、中国共産党政権に情報を提供する米国民のリスト、米国で就職し、あるいは大学で勉強する中国人スパイのリスト、米ビジネスマンと公務員が中国当局から受け取った金品の記録などを提供した」
中国新華社通信の否定に対して、チャン氏は「亡命は事実だと思う」
いっぽう、中国国営新華社通信は18日、董経緯氏は同日防諜会議を主宰したと報道し、火消しを図った。ただ、記事には同氏や会議の写真はなかった。
新華社通信の報道について、チャン氏は「中国当局が関連報道や噂を恐れていることを反映した」と指摘。
同氏は「中国メディアの報道の信ぴょう性に疑問が残る」とし、「SpyTalkや他の(米)メディアは詳しく報道し、私たちが知っている事と一致する部分がある。したがって、私は、(董氏の)亡命は本当のことだと考える」と話した。
また、チャン氏は、董氏が米連邦捜査局(FBI)などではなく、DIAに連絡したという報道に注目した。
「中国当局のスパイと情報部員は、(米国内の)至る所にいる。私は、米複数の政府機関がすでに中国当局に浸透されたという報告書は信用できると言わざるを得ない。実際に、米国の州レベルの政府も同様に浸透された」
チャン氏は、次官級の董経緯氏は習近平国家主席と近い関係にあるため、「習氏から大量の情報を得ることができる。(同氏の亡命で)中国の政治体制が崩壊する可能性がある」とした。中国共産党内から、董氏の亡命をめぐって習近平氏の責任を追及する声が上がる可能性があり、「極めて短い期間に新しい指導者が現れれば、中国の政局が混乱し不安定になる」。
ウイルスの起源を解明するには、中国の高官の証言が必要
トランプ前政権で、新型コロナウイルスの実験室漏えい説の調査に関わった米政府の元高官は、英紙テレグラフ(21日付)に対して、同ウイルスの起源を解明するのに、中国当局の高官を欧米各国に亡命させることが「唯一の方法だ」と認識を示した。
元高官は、中国当局の亡命者に資金や市民権を与えることを提案した。ウイルスの起源を解明するには、「われわれは証言を必要としている。直接的な証人である中国人からの証言が必要だ」とした。同氏は、「中国では、人々は職務上の過失が理由で処刑されることがある」と強調した。(epochtimes)
「武漢のコロナ情報持ち去った」…中国情報機関ナンバー2に米亡命説
6/21(月)
中国共産党結党100周年記念行事が目前に迫っている中、中国の情報機関ナンバー2が米国に亡命したといううわさが広まっている。18日の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストと英紙デイリー・テレグラフによると、中国国家安全部の董経緯副部長(57)が今年2月、娘と一緒に香港で米国に亡命したといううわさが急速に広がっている。
特に、董氏が亡命した際、新型コロナの起源地が武漢ウイルス研究所だという情報を持ち去ったといううわさや、先月米国と中国の外交担当長官・国防担当長官がアラスカで会って舌戦を繰り広げた時、董氏の亡命問題が取りざたされたといううわさまで飛び交っている、と一部海外メディアは伝えている。
今年57歳の董氏は中国の防諜活動責任者だったと言われている。もし董氏の亡命説が事実だと確認されれば、これまで亡命した中国官僚の中でもトップクラスに該当する。(朝鮮日報)
ゴードン・チャン(wikipedia)
1951年生まれ。コラムニスト、作家、弁護士。著書「TheComingCollapseofChina」来たるべき中国の崩壊で広く知られています。
チャンは中国本土と香港に20年近く住み、米国の国際法律事務所であるベーカー&マッケンジーとポール、ワイス、リフキンド、ウォートン&ギャリソンLLPでそれぞれパートナーと弁護士を務めた。チャンは、国家情報会議、CIA、国務省、および国防総省でブリーフィングを行い、米国下院外交委員会に出席した
2001年チャンは繰り返し、中国政府は最終的に崩壊してしまうと述べています。チャン氏はまた、中国は「新しいドットコムバブル」にあると述べ、中国の急速な成長は、人口増加の減少や小売の減速など、さまざまな内部要因と矛盾していると付け加えた。