「まん延防止重点措置の適用地域での酒類提供停止」は違法の疑義
07月08日
東京都に8月22日まで4回目の緊急事態宣言をし、まん延防止等重点措置は埼玉、千葉、神奈川と大阪の4府県では、来月22日まで延長し、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は今月11日の期限をもって解除する方針を示しました。
西村大臣は、飲食店に対し、酒類の提供を停止し、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請するとして「協力金の先渡しが可能となる仕組みを導入し、支給の迅速化に向けて、必要な取り組みを進めたい」と述べました。まん延防止等重点措置の適用地域でも、原則、酒類の提供停止を要請する方針を示しました。
(nhk)
5/1にまん延防止で酒類提供停止「告示改正は違法の疑いがある」と京大教授が指摘していた
2021/5/1
まん延防止で酒類提供停止「告示改正は違法の疑いがある」京大・曽我部教授(要点)
もう1つの論点は、具体的な営業規制は、法律(新型インフルエンザ対策特別特措法)及びその委任を受けた政令、さらにその委任を受けた厚労大臣の告示で定められるため、委任の範囲を超えているかどうか、というものです。
酒類提供禁止に関しては、ひとまずはこの委任の範囲内かどうかということが問題となります。
この点に関しては、まん延防止等重点措置(以下「重点措置」)でも、知事が酒類提供やカラオケ機器使用を禁止する命令を出せるよう、厚生労働省が4月23日、告示を改正していた点については、違法の疑いがあると考えます。
すなわち、特措法31条の6は、「重点措置」として取りうるものとして、「営業時間の変更その他国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある重点区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するために必要な措置として政令で定める措置」と定めていますが、「営業時間の変更」が例示の筆頭に上がっていることなどから、それ以上の措置はとれない(政令・告示で定めることができない)ことになります。
こうした解釈は、立法過程でも共有されていたところです(この趣旨は、衆参の附帯決議にも示されています)。
しかし、カラオケ店でカラオケ装置を使用禁止とする、あるいは居酒屋で酒類提供禁止をするというのは、「事実上は営業停止であるとも言いうる」ため、政令・告示で定めることのできない措置を定めている疑いがあると考えられます。
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つまり、まん延防止等重点措置の地域には営業停止の命令は出せないが、酒類の提供禁止は事実上の営業停止であるから違法の疑義がある
事実上の営業停止という強力な規制であるだけに、委任の範囲は限定的に解釈しなければならないというのは、最高裁判例からも伺えるところです。
その点、今回の緊急事態宣言における戦略の全体像がどのようなもので、酒類提供禁止等といった個別の措置がその中にどう位置づけられる、どう必要なのか、説得力のある説明がなされていないことが非常に問題だと感じます。(弁護士ドットコムニュース)
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まん延防止等重点措置と緊急事態宣言の要請内容の違い
休業対応については、緊急事態宣言では休業(営業停止)命令が出せるが、まん延防止等重点措置では休業(営業停止)命令は出せない。今回の重点措置への酒類提供停止は、実質的に営業停止。よって違法の疑義がある。
●要請できる内容は?
要請・命令ができる対策にも違いがあります。緊急事態宣言では、時短要請のほかに休業要請も可能で、外出自粛も要請できます。しかしまん延防止等重点措置では、時短要請はできるものの、休業要請や全面的な外出自粛要請はできないとされています。(PAGE)
特措法改正で「まん延防止等重点措置」新設 「緊急事態宣言」との違いは?(Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE)
新型コロナウイルス対策により適応させた特別措置法(特措法)の改正案が成立し、2月13日から施行されます。特措法に基づいた「緊急事態宣言」下での営業時間短縮要請などに応じなかった場合の罰則が規定され
曽我部 真裕(wikipedia)
そがべ まさひろ、1974年(昭和49年)生まれ。日本の法学者。京都大学教授。一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構代表理事。
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