血液検査の新興企業セラノスの創業者であるエリザベス・ホームズは、投資家を欺くために共謀した罪で有罪になった。
Elizabeth Holmes, the founder of blood-testing start-up Theranos, has been found guilty of conspiring to defraud investors.
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— Al Jazeera English (@AJEnglish) January 4, 2022
セラノスの創業者エリザベス・ホームズは、投資家を詐取するための共謀の罪で有罪になった
2022年1月4日
米国の陪審は、セラノスの創業者エリザベス・ホームズが、血液検査の新興企業への投資家を欺くために共謀した罪で有罪判決を下した。ホームズは月曜日、11件の訴因のうち4件で有罪判決を受けた。
彼女は4つの訴因で無罪となり、陪審員は3つの訴因で判断に至らなかった。
検察によると、ホームズ(37歳)は2010年から2015年にかけて、セラノスの小型機械は指を刺した数滴の血液でさまざまな検査を行えると信じ込ませ、個人投資家からお金を騙し取ったという。
ホームズはまた、検査の正確さについて患者を欺いたことでも起訴された。
ホームズは2003年にセラノスを設立した後、シリコンバレーで有名になった。
メディア王ルパート・マードックを含む裕福な個人投資家は、スティーブ・ジョブズのような黒いタートルネックで知られる創業者と面会した後、同社に数百万ドルを投資した。
この事件は、検査に革命を起こそうとしたセラノスの失敗を明るみに出した。検察は、同社が患者の検査にシーメンス社製の従来の機械を密かに使用していたことを明らかにした。
セラノスは、WSJ誌が同社の装置に欠陥があり、不正確であることを示唆する一連の記事を掲載した後、崩壊した。
ホームズは2018年、セラノスの元最高執行責任者ラメシュ・”サニー”・バルワニとともに起訴された。
彼女は9件の詐欺罪と2件の共謀罪について無罪を主張していた。バルワニも無罪を主張しており、後日裁判を受ける予定だ。
9月にカリフォルニア州サンノゼで始まった裁判では、陪審員たちは、セラノスの技術の問題を目撃して同社を辞めたという元従業員たちの証言を聞いた。
投資家たちは、ホームズ氏がセラノス社について、その機械が米軍によって現場で使われているなど、誤解を招くような主張をしていたと証言した。また、元患者たちは、検査に欠陥があると知っていたらセラノスの検査を利用しなかっただろうと陪審員たちに語った。
「彼女はビジネスの失敗よりも詐欺を選んだのです。彼女は不誠実であることを選んだのだ」と、最終弁論の冒頭で連邦検事補のジェフ・シェンク氏は述べた。「その選択は、冷酷なだけでなく、犯罪的なものだった」
ホームズは裁判で、誰かを騙すつもりはなかった、セラノスの研究所の責任者が検査の品質を管理していたと証言している。
エリザベス・ホームズ(wikipedia)
2003年、スタンフォード大学の化学工学科の2年生の時に大学を中退して少量の血液で200種類以上の血液検査を迅速かつ安価に出来る医療ベンチャー企業のセラノス社を創業した。 2014年6月に380億円を調達して同社の時価総額は9000億円になった。
スティーブ・ジョブズを意識してか、常に黒のタートルネックのセーターを着用している。このためセラノス社の室内温度は、18度前後に設定されていた。
セラノス社は、画期的な血液検査技術の開発で投資家から資金を得ていたが、アメリカ食品医薬品局などの調査により、自社の技術を使用した検査は一部にすぎず、大半を他社の検査機器などで行っていたことが指摘されるようになった。
2018年3月、証券取引委員会と詐欺罪に関する訴訟で和解。ホームズはセラノスの支配権を放棄した上で株式の大半を返還し50万ドルの罰金を支払ったほか、ホームズが保有するセラノス株1,900万株の放棄、今後10年の間、上場企業の役員や取締役への就任を禁じる内容となっている。また、2021年8月31日に始まった連邦大陪審の結果により、最長で懲役20年に加え25万ドルの賠償金などを課される可能性がある。