甘利氏、全国に「裏金」提供か、政策活動費が原資の可能性 端緒は河井元法相の大規模買収事件
2/14(水)
2019年の参院選で自民党の選挙対策委員長だった甘利明衆院議員(74)が、宮城選挙区の同党公認候補だった愛知治郎元参院議員(54)の応援で同選挙区に入った際、愛知氏の後援会幹部に現金100万円を渡していたことが13日、愛知氏らへの取材で分かった。
甘利氏は、同じ参院選の広島選挙区で大規模買収事件を起こした河井克行元法相(60)にも現金100万円を提供。党の資金を使って全国各地の同党公認候補側に陣中見舞いとして100万円を配ったと、中国新聞の取材に説明していた。
一方で、甘利氏が関係する主な政治団体や自民党の政治資金収支報告書(19年)を見ると、いずれの100万円も記載されていない。使途公開の義務がなく、事実上の裏金と指摘される自民党の「政策活動費」を使い、陣中見舞いとして「裏金」を全国で配り回っていた可能性がある。
19年の自民党の収支報告書によると、甘利氏は参院選前の1~6月に計8060万円の政策活動費を党から受け取っている。ただ使途報告義務がないため、甘利氏が何に使ったかは分からない。
甘利氏は今回の中国新聞の取材に文書で回答。19年参院選で候補者に現金を配ったかどうかは明確に答えず「収支報告書に記載されている通り」とした。政策活動費の使途については「使途公開は政治活動の自由とも密接に関わる。お答えは差し控える」としている。
政党から政治家個人に支出する政策活動費は、政治資金規正法に使途報告を求める規定がない。野党も使っているが、金額は自民党が突出。19年は、甘利氏を含む党幹部18人に計13億410万円を支出していた。政界を揺るがしている自民党派閥の裏金事件でも焦点となり、野党や公明党が見直しを求めているが、岸田文雄首相は否定的な姿勢を示している。
2019年参院選広島選挙区の大規模買収事件で検察が主犯の河井克行元法相方から手書きメモを押収。「+(プラス)現金6700」「総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100」と書かれていた。検察は、万円単位でいずれも当時の安倍晋三首相、菅義偉官房長官、二階俊博自民党幹事長、甘利明党選挙対策委員長が裏金を提供したとみて捜査していた(中国新聞社)
さらに甘利氏が幹事長の際、わずか35日間で3億8千万円の政策活動費
岸田文雄が自民党総裁、甘利氏が幹事長の際、わずか35日間で甘利氏に3億8千万円の政策活動費を渡していた。
立憲民主党の質問に対し、岸田氏は「適正に使われていると思う」を繰り返す。
3億8千万円は選挙直前に渡されたものであり、選挙に使った可能性が高い=違法の可能性と立民が追求するも、岸田はのらりくらりとかわし続けた。
(NHK)