【国際】ハンガリー政府、ジョージ・ソロスへの規制をさらに強化 国家主権への“介入”を警戒
4月22日
Bloombergなどによると、ハンガリー政府は2025年、著名投資家ジョージ・ソロスとその関連団体に対して新たな規制を強化する動きを加速させている。
オルバン・ヴィクトル首相率いる保守政権は、ソロスを「国家主権への深刻な脅威」と位置づけ、長年にわたりその影響排除を掲げてきた。
今年初頭には、外国資金を受け取るNGOやメディアを対象とした規制強化法案が提出された。対象となるのは、主にソロスの支援を受ける市民団体や報道機関であり、その活動に対する監視体制が大幅に強化される見通しである。

■ 主な規制内容
• 外国資金を受け取る組織には登録義務を課し、活動範囲を制限
• 国外からの資金提供の内訳や使用目的の報告を義務化
• ソロスの支援団体オープン・ソサエティ財団(Open Society Foundations)など特定団体に対しては、特別監視体制を導入
これにより、国外からの影響力が及ぶ「リベラル系」「反政府的」活動は、事実上制限されることとなる。
ハンガリー政府の圧力を受け、ソロスの支援団体「オープン・ソサエティ財団」は、国内での活動の縮小と他国への拠点移転を検討している。かつてブダペストに本部を構えていた同財団はすでに一部業務をドイツなど欧州他国に移しており、今回の新法案が成立すれば完全撤退も現実味を帯びてきた。

さらに報道によれば、ハンガリー政府はジョージ・ソロス本人に対する「入国禁止措置」も検討中だという。
これは、同氏が支援する団体やネットワークが、ハンガリー国内の政治や選挙プロセスに不当な影響を及ぼしているとする政府側の危機感に基づいた措置である。
オルバン政権は過去にも、「ソロス・プラン」と呼ばれる反移民政策への干渉を批判し、国内外で議論を巻き起こしてきた。
今回の一連の動きは、国家主権を守るとする保守政権と、グローバルな市民運動を支援する超国家的勢力との対立構造を明確に映し出している。
ハンガリーは、欧州連合(EU)の一員でありながら、独自の価値観と政治方針を貫く「主権国家モデル」を掲げており、ソロスとの攻防はその象徴的な争点とも言える。今後、他国でも同様の動きが広がる可能性があり、国際的な「反ソロス」の機運にも注目が集まっている。

📎 関連情報リンク:
• Bloomberg: Orban Orders Crackdown on Foreign-Funded Media and NGOs (2025)
• Open Society Foundations 公式声明(2024年版)
• [Hungary government statement on foreign influence (2025年1月発表)]
参考記事


