トランプ大統領、カナダに「51番目の州」提案を再び提示——ゴールデン・ドーム防衛システム参加
2025年5月28日
ドナルド・トランプ大統領がカナダに対して新たな提案を行い、ソーシャルメディア上で大きな議論が集まっている。トランプ大統領は28日自身のTruth Socialアカウントを通じて、カナダがアメリカのミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム・システム」に参加する条件として、810億ドルの費用負担か、または「51番目の州」としてアメリカに併合されることで費用がゼロになるという選択肢を提示した。この発言は、Xユーザーや専門家の間で賛否両論が集まっており、カナダとアメリカの関係に再び注目が集まっている。
トランプ大統領は投稿で、「カナダは我々の素晴らしいゴールデン・ドーム・システムに参加したがっている。私は彼らに、もし独立した国家として参加するなら810億ドルの費用がかかるが、51番目の州として我々の大切な一部になれば費用はゼロだと伝えた。彼らはこの提案を検討中だ!」と述べた。
このゴールデン・ドーム・システムは、米本土を長距離および極超音速ミサイルの脅威から守るための大規模な防衛プロジェクトで、議会予算局(CBO)によると、20年間で最大8310億ドル(約120兆円)の費用が見込まれている。トランプ氏は2029年までの運用開始を目指しているが、専門家からはスケジュールや実現性に疑問の声が上がっている。
トランプ大統領の「51番目の州」発言はこれが初めてではなく、2024年の大統領選挙後の2025年初頭にも同様の提案を行っており、カナダとの軍事的・経済的関係強化の一環と見られている。しかし、カナダ側はこの提案に強く反発している。カナダのマーク・カーニー首相は、ゴールデン・ドームのような共同防衛プロジェクトには関心を示しつつも、アメリカへの併合には否定的な立場を表明している。
この発言に対し、X上ではさまざまな反応が集まっている。保守派のユーザーからは「カナダを州として受け入れるべきではない」との意見が多く、特にカナダの医療システムやリベラルな政治傾向を問題視する声が上がっている。
例えば、@currermell氏は「カナダの医療システムは政府が安楽死を推奨しており、アメリカにとって新たなカリフォルニア州のような存在になるだけだ」と懸念を表明している。一方、@crza_11氏は「トランプがカナダを挑発しているだけだ」との見方を示し、ユーモアとして受け止める声も見られている。
ゴールデン・ドーム・システムは、SpaceX、Palantir、Anduril、Lockheed Martinなどの防衛企業が関与し、イスラエルのアイアンドームをモデルにした多層防衛システムとして構想されている。しかし、Chatham Houseのマリオン・メスマー氏は「アイアンドームと異なり、広大なアメリカ本土をカバーし、多様なミサイルに対応する必要があるため、技術的・財政的な課題は計り知れない」と指摘している。Economistのシャシャンク・ジョシ防衛編集者も「トランプ政権中に完成するのは非現実的で、防衛予算の大きな負担となるだろう」と警告している。
トランプ氏の提案は、カナダに対する経済的圧力と交渉戦略の一環と見られているが、実現性は依然として不透明だ。カナダとアメリカの今後の関係がどのように進展するのか、引き続き注目が集まっている。
カナダは、我々の素晴らしい「ゴールデンドーム・システム」にぜひとも加わりたいようだ。私は彼らにこう伝えた――もし独立した「不平等な国家」として居続けるなら610億ドルの費用がかかるが、我々の「愛すべき51番目の州」となれば費用はゼロだと。彼らはこの提案を検討中である!
OMG pic.twitter.com/An1kMXDUur
— Libs of TikTok (@libsoftiktok) May 27, 2025