新型コロナ新変異株「NB.1.8.1(ニンバス)」、欧米で拡大の兆し 鋭い喉の痛みに注意喚起
Wired、people、Sfchronicle、Epochtimesによると欧州連合(EU)の当局者は、中国ウイルス新型コロナウイルスの新たな変異株「NB.1.8.1」が今後数週間でEU全域に広がる見込みだと発表した。
この変異株は今年初めに中国本土で広がり、現在はアメリカにも到達している。6月13日のアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の発表によれば、アメリカでの新型コロナウイルス感染症の3分の1以上をこの変異株が占める。
欧州および米国を中心に、新型コロナウイルスのオミクロン系サブ変異株「NB.1.8.1(通称:ニンバス)」の感染が拡大しつつあるとして、世界各国の保健当局が警戒を強めている。
この変異株は、世界20カ国以上で確認されており、世界保健機関(WHO)や欧州疾病予防管理センター(ECDC)から「監視下変異株(Variant Under Monitoring)」に指定されている。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、米国内でのNB.1.8.1の占有率はすでに全体の約37%に達し、今後主流株となる可能性が高いという。

鋭い喉の痛み、「レイザーブレード・スロート」とも
NB.1.8.1の特徴として、患者の間で「喉にカミソリを飲み込んだよう」と形容される激しい喉の痛みが多数報告されている。これは英語圏のSNSや報道で「レイザーブレード・スロート」と呼ばれ、従来のCOVID症状とは一線を画すとして注目を集めている。
感染力は従来株よりも高いとされ、一部の研究では、ワクチンや過去の感染によって得られた免疫を回避する「免疫逃避」の傾向が示唆されている。ただし、重症化率に関しては「既存のオミクロン株と大差ない」と評価されており、致死率や入院率の上昇といった明確なエビデンスは現時点では報告されていない。

主な症状としては、激しい喉の痛み、発熱、倦怠感、筋肉痛、咳、のどの不快感など、これまでのCOVIDと類似する。
欧米での感染拡大を受け、日本国内でもNB.1.8.1への注意が呼びかけられている。特に夏にかけての人流増加により、新たな波が訪れる可能性が懸念されており、厚労省や国立感染症研究所によるサーベイランス体制の強化が進められている。
現時点での分析では、NB.1.8.1は「感染力が高いが重症化リスクは限定的」とされているが、引き続き状況の推移と公衆衛生上の対応に注目が集まっている。

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