経緯
毎日新聞が菅総理の発言について、「中等症や軽症者に関しては自宅療養を基本とする」と誤報を流すと、その後、「菅首相は中等症は自宅療養などとは言ってない」等の指摘が次々に上がる。
毎日新聞の記事が全面的に書き換えられ、「中等症も自宅療養の方針」という記述がしれっと削除された。
その後Yahooが、独自でおわびと訂正の記事を出す
おわびと訂正(8月2日のYahoo!ニュース トピックスについて)
Yahoo!ニュースに8月2日、『「中等症や軽症者は自宅療養を基本」 政府、病床確保方針』の見出しで配信された記事について、記事配信元の毎日新聞が記事のタイトルと内容の一部を修正しました。修正の経緯について記事の末尾で以下のように説明しています。
『本記事では、当初「重症者については入院のための病床を確保するが、中等症や軽症者に関しては自宅療養を基本とする内容」としていたのを「入院対象者を重症患者や特に重症化リスクの高い人に絞り込み、入院しない人を原則自宅療養とすることを可能とする方針」と修正しています。取材の過程で、中等症の人を一律自宅療養とするわけではないことが判明したためです。』
おわびと訂正(8月2日のYahoo!ニュース トピックスについて)Yahoo!ニュースに8月2日、『「中等症や軽症者は自宅療養を基本」 政府、病床確保方針』の見出しで配信された記事について、記事配信元の毎日新聞が記事のタイトルと内容の一部を修正しました。修正の経緯に...
産経が方針を修正と報道👇
中等症も原則入院対象と明確化 政府、療養方針の資料を修正(産経)
政府は5日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた患者の療養方針について、与党の撤回要求を踏まえて説明資料を修正し、中等症でも原則入院の対象とすることを明確化した。与党は同日の政府との実務者協議で方針を了承した。厚生労働省は各都道府県などに詳細に記した3日付の通知に関し、「中身を変えているつもりはない」(幹部)と説明するが、事実上の軌道修正といえる。
入院については、当初「重症患者や特に重症化リスクの高い者に重点化」としていたため、与党の間に「中等症でも入院できないのか」との見方が広がった。このため、田村憲久厚労相は5日の参院厚労委員会で「中等症は原則入院」と明言。修正資料では「入院は重症患者、中等症患者で酸素投与が必要な者、投与が必要でなくても重症化リスクがある者に重点化」と詳細に書き込んだ。
入院が必要な患者以外は自宅療養を基本としている点に関しては、自民党から「宿泊施設を拡充すべきだ」との意見が出ていたが、田村氏は厚労委で宿泊療養施設が「タイトになっている」として「入院以外の人は原則は自宅療養。宿泊療養施設はどうしても必要な人に限定する」と理解を求めた。(産経、引用抜粋)
産経も誤報。新型コロナ入院基準改定をめぐる混乱は続く(agora)
新型コロナ入院基準改定をめぐって論争が続いています。
重症患者を優先して医療崩壊を回避することが目的だったはずですが、毎日新聞などメディアのミスリードによって、政府の対応が「中等症の人を病院から追い出す」みたいな印象を与えてしまい、おかしな事態になっています。
「中等症」という、ふつうの人は一昨日まで聞いたことのなかった言葉の「定義」をめぐって大きな混乱が生じているようです。
産経は厚労省の方針が「修正」されたと報じましたが、これは誤報。
厚労省は8月3日に出した事務連絡の最後の表に「中等症で酸素吸入が必要な者」と付け加えただけで、本文はまったく修正していません(日付も3日付のまま)。最初から「中等症以下の患者の中で特に重症化リスクの高い者」と書いてあるのです。
要するに中等症かどうかは関係なく、重症化リスクの低い患者は自宅療養という方針は変わっていない
要するに中等症かどうかは関係なく、重症化リスクの低い患者は自宅療養という方針は変わっていないのです。中等症という言葉を入れただけで、野党は納得するんでしょうか。
課題としては、自宅待機となった患者の症状急変に備えて、そのケアをどうサポートしていくか。訪問医療をオンライン診療などのDX技術でサポートしたいところですが、日本の医療体制がそれを拒んできた面も否定できません。
この状況下では、グレーゾーン(軽症と中等症(軽度)の線引き)の判断を現場に任せると、不測の事態に備えて、リスクの少ない方を選択する(重症と判断する)インセンティブが働く可能性が高く、政府の意図する医療提供体制の改善にはなりそうもありません。
政府にはより一層の丁寧な説明と、在宅患者へのサポートに関して体制整備、マスコミには事実に基づいた冷静な報道が求められます。(agoraから引用、抜粋)