米首都ワシントン当局、アマゾンを独禁法違反で提訴
米首都ワシントン(コロンビア特別区)は25日、米IT大手アマゾン・コムがオンライン市場の支配力を乱用して商品価格を違法に引き上げたとして、同特別区の独占禁止法(反トラスト法)違反の疑いで提訴した。米当局のアマゾンに対する独禁法訴訟は初めてとみられる。
訴状によると、アマゾンは運営するオンライン市場「アマゾン・マーケットプレイス」に出品する販売業者に対し、同じ商品を他の通販サイトで、より安く販売することを事実上禁止する契約を結んでいた。出品業者の半数以上がこの契約を結んでおり、契約に違反した場合、出品禁止などの罰則があるという。
米市場調査会社イーマーケターによると、米オンライン小売市場におけるアマゾンのシェアは2020年に約40%を占め、2位の米小売り最大手ウォルマート(7%)を引き離す。同特別区のラシーン司法長官は声明で「アマゾンは支配的な地位を利用して、オンライン市場全体の価格を高止まりさせている」と主張した。
GAFAのうちGFはすでに提訴されている
一方、アマゾンは「当社は他店舗と同様に価格競争力のない商品を陳列しない権利も持っている。今回の提訴は、アマゾンが顧客に高い価格を提示することを強いるものだ」と反論した。
米国では「GAFA」と総称される巨大IT企業の強力な市場支配力への警戒が強まっており、20年10月以降、司法省など当局がグーグルとフェイスブックを米連邦法の独禁法違反でそれぞれ提訴。アマゾンに対しては米連邦取引委員会(FTC)、カリフォルニア州やワシントン州などが独禁法違反で調査を進めている。今回の提訴は、FTCや他の州当局とは連携していないという。(毎日)
FacebookとGoogleは独禁法違反ですでに提訴されている(2002/12/9)
2020年12月9日
米国の40以上の州司法長官と連邦当局が、巨大IT(情報技術)企業の米フェイスブック(FB)を9日にも反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴する見通しとなった。米紙ワシントン・ポスト(電子版)が8日報じた。FBが画像共有アプリ「インスタグラム」や対話アプリ「ワッツアップ」の運営会社を買収したことについて市場での「競争を無効化した」と主張し、一部事業の売却を裁判所に求めるとみられる。
巨大IT企業を巡っては、米当局による監視が厳しくなっている。米司法省と11州は10月、グーグルのインターネット検索サービスについて独禁法違反で提訴した。グーグルは「欠陥のある提訴」だとして反発している。