「お前と一緒に沈められねえだろ」退陣表明前夜、“2A”から首相に三くだり半
2021/9/4
2日夜。菅義偉首相は、自民党役員人事の一任を取り付けるため、麻生太郎副総理兼財務相と接触した。
同じ神奈川県選出で信頼する麻生派の河野太郎行政改革担当相を要職に起用できないか―。だが、麻生氏は声を荒らげた。「おまえと一緒に、河野の将来まで沈めるわけにいかねえだろ」
首相は説得を試みたが、麻生氏は最後まで首を縦に振らなかった。
もう1人、首相の後ろ盾である安倍晋三前首相にも党人事への協力を求めたが“三くだり半”を突き付けられた。首相が「孤立」した瞬間だった。
首相は安倍、麻生両氏と折り合いが悪い二階氏を幹事長から外すことで歓心を買い、さらに知名度の高い河野太郎行政改革担当相や小泉氏らを要職に起用することで刷新感を演出するはずだった。
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だが、総裁任期まで1カ月を切る中での異例の人事案は「保身のためという狙いが透けて見える」(中堅議員)など、遠心力を招くばかり。麻生氏は河野氏に人事要請を受けないよう求め、安倍氏の出身派閥の細田派も距離を置き始めていた。
総裁選で菅氏が敗れることを想定すれば、菅氏の人事案に乗ることはリスクが高い。「誰も引き受け手はいない」(首相周辺)。無派閥で党内基盤のもろい首相に残された手は、もう残っていなかった。
首相は3日、官邸で辞意の理由について「コロナ対策と総裁選は両立できない」と語った。だが、人事が見込みも立たず、孤立無援の末に1人で辞任を決めざる得なかったのが実情だ。
首相側近はテレビで首相の辞意を知り、こう嘆いた。「人事権も解散権も封じ込まれた総理総裁なんて見たことがない。最後は裸の王様だったよ」(西日本新聞、抜粋。記事全文↓)
参考記事
総裁選やらずに解散とかというのはあまりにセンスがない。まあ、それしかなかったんだろうが。
首相なのに、推薦人さえ集まらないとか。最後は惨めだな。
不出馬となった後に、議員からよくやってるとか声が聞こえたけど、本当ならそうなる前に言えよと。
この人、あまりにも発信力がなかった。トップが自分の言葉で語れないというのは致命傷。
官房長官はあれで済むけど、首相になるとそうはいかない。リーダーシップの欠如が見透かされた。
麻生派、細田派(実質安倍派)から三行半突きつけられたら行き場はないよな。