S&P、中国恒大集団を「CC」に引き下げ 流動性枯渇
9月15日、S&Pグローバル・レーティングは、中国の不動産開発大手、中国恒大集団と複数の子会社の格付けを「CC」に引き下げた。流動性が枯渇しているようだとしている。
[15日 ロイター] – S&Pグローバル・レーティングは15日、中国の不動産開発大手、中国恒大集団と複数の子会社の格付けを「CC」に引き下げた。流動性が枯渇しているようだとしている。
S&Pは「中国恒大集団は、販売の大幅な落ち込みが発表され、現金収支が悪化し、返済で引き続き不動産を利用していることで明らかなように、流動性と資金調達能力が大幅に悪化している」と述べた。
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— ロイター (@ReutersJapan) September 15, 2021
焦点:崖っぷちの中国恒大集団、待ち受ける幾つかの危機シナリオ
[シンガポール/上海 14日 ロイター] – かつて中国一の販売実績を誇った不動産開発大手、中国恒大集団が崖っぷちに立たされている。混乱を伴って幅広い影響をもたらす形の経営破綻に追い込まれるか、あるいは「管理された倒産」を余儀なくされるのか。一方で、政府による救済の可能性は乏しそうだ。
1996年創業の恒大集団は、中国当局が借金や建設事業を自由気ままに許していた時代の申し子と言える。だが、現在では2兆元(3050億ドル)近くの負債を抱え、ここ数年の中国で最大級の破綻を起こす可能性が目の前に迫ってきた。
今のところ、恒大集団は新たな資金調達手段を手に入れない限り、サプライヤーに対する支払いや開発案件の完成、増収などがままならなくなった。アドバイザー起用に動くとともに、デフォルト(債務不履行)のリスクを警告している。このデフォルトに加え、身売り、解体もしくは救済などが、検討されているシナリオだ。
アナリストは、2008年の米リーマン・ブラザーズ破綻と同一視することには否定的だ。それでも一部の投資家は、恒大集団もそれなりに負の波及効果を生み出すのではないかと懸念する。
ディストレスト資産や高利回り債を専門に扱うSCレービのマイケル・レービ氏は「動性を入手する手段がなく、事業の手を広げ過ぎたという同じ問題に苦しむ不動産開発会社は、ほかにも存在する」と述べた。
不動産市場崩壊も
一番差し迫った不安は、リーマン型の金融危機ではなく不動産価格の暴落だ。恒大集団が保有資産を投げ売りすれば価格形成メカニズムが破壊され、借り入れに頼る不動産開発会社が破滅して、中国経済の4分の1を占める不動産セクターが機能不全になりかねない。
ロンドンを拠点とする独立系アナリスト、パトリック・ペレット・グリーン氏は「リーマン(の破綻)は金融システム全般に波及し、活動を停止させたという点で非常に異なる。多数の取引相手が抱えていた何百万もの契約があり、誰もがポジションを解消しようとしていた。恒大集団については、不動産セクター全体を抑圧する」と説明した。
恒大集団には、数多くの銀行が融資を行っている。昨年明らかになった文書によると、同社は128行超の銀行と、121社を超えるノンバンクから借金がある。この文書を巡って、同社は「でっち上げ」と主張している半面、アナリストは真実味があると受け止めている。
信用分析情報を提供するリオルグのディストレスト債アナリスト、ジェームズ・シー氏は「政府は肥大化した不動産セクターで、債務圧縮に向けた取り組みを熱心に進めている。だから、恒大集団に救いの手を差し伸べる公算は乏しい」と話す。
アナリストの間では小口投資家を守るための「管理された倒産」を想定する向きが増えてきている。
ノムラのアナリスト、アイリス・チェン氏「政府は積極的に恒大集団を追い込むつもりもなく、万が一の場合、より秩序のあるデフォルトを取り仕切るのではないか、というのがわれわれの見解だ」と記した。(ロイター抜粋)
中国不動産大手が巨額負債、投資家ら殺到 破綻すれば経済リスク
中国の不動産大手・中国恒大集団が経営危機に陥っている。中国の不動産バブルを背景に成長してきたが、強気な投資と事業の多角化が裏目に出て巨額の負債を抱える。事業の売却などで資金繰り改善を急ぐが先行きは厳しく、破綻(はたん)すれば中国経済に与える影響は避けられない見通しだ。
「破産による再建手続きに入るというネット上の言論は事実ではない」「会社は未曽有の苦境に直面しているが、考えつくすべての手段で正常な経営を回復する」。恒大集団は13日夜、緊急声明を出した。経営が急速に悪化しているとの見方が強まる中、再建していく姿勢を強調した。
ロイター通信によると、同日に深圳市の本社に同社の理財商品の償還を求め投資家約100人が押しかけた。(朝日新聞抜粋)
参考記事
(画像:ロイター)