タッカー・カールソン、獄中のサム・バンクマン=フリードにインタビュー
3月8日
サム・バンクマン=フリード(SBF)は、かつて「暗号資産界の天才」と称され、仮想通貨取引所FTXの創業者として急成長を遂げたが、その後、巨額の資金流用スキャンダルによって転落した人物で。
MIT卒業後、金融業界を経て暗号資産の世界に進出した彼は、2019年にFTXを設立し、短期間で業界のトップ取引所の一つに成長させた。また、自身のヘッジファンド「アラメダ・リサーチ」を通じて莫大な利益を上げ、慈善活動や政治献金にも積極的に関与し、民主党を中心に多額の資金を提供していた。
しかし、2022年11月、FTXの経営破綻が突如として表面化し、顧客資金約80億ドルが不正流用されていたことが発覚。アラメダ・リサーチとの間で不透明な資金のやり取りが行われていたことも明らかになり、FTXの崩壊は「仮想通貨業界最大の詐欺事件」として注目を集めた。
SBFは2022年12月にバハマで逮捕、2023年の裁判で有罪判決を受け、2024年には長期の懲役刑が確定し、ニューヨークの刑務所に収監された。
Businessinsider、CNNによると、サム・バンクマン=フリード(SBF)は、2025年3月6日、投獄中にもかかわらずタッカー・カールソン氏とのインタビューを行い、これにより彼の危機管理担当者であるマーク・ボトニック氏が辞任する事態となった。 
このインタビューで、SBFは刑務所での生活や、同じく収監されているラッパーのショーン「ディディ」コムズとの関係について語った。 また、彼は自身の政治的立場についても言及し、2020年にはバイデンのキャンペーンを支持していたが、その後のワシントンD.C.での経験から共和党への支持を強めていたことを明らかにした。 さらに、SBFの両親がトランプ大統領からの恩赦を求めているとの報道もある。  
このインタビューは、SBFが以前から計画していたものであり、彼の復帰戦略の一環として位置づけられている。

タッカー・カールソンとのインタビューで、サム・バンクマン・フリードは、ディディと同じ刑務所に収監されていると語る。ショーン “ディディ”・コムズが刑務所で彼に「親切」だったと語った。
JUST IN: Sam Bankman-Fried says he shares a prison unit with Diddy.
“He’s been kind to me.” pic.twitter.com/OxiLZRriqn
— Watcher.Guru (@WatcherGuru) March 6, 2025

タッカー・カールソン:「ディディ(ショーン・コムズ)と一緒にいるのか?彼も君と同じユニットにいるのか?」
サム・バンクマン=フリード:「うん、彼はいるよ。彼は優しく接してくれているし、いくつかの友人もできた。だけど、ここはちょっと変わった環境だよね。有名な事件で収監された人たちが数人いて、あとは元ギャングだったり、いわゆる“元ギャングとされる人”たちが多い。」
タッカー・カールソン:「確かに、“元”というのはあくまでそう言われているだけかもしれないな。それで、ディディはどんな感じなんだ?」
サム・バンクマン=フリード:「正直、彼の一面しか見たことがないけど、ここでのディディは、周りの人たちに親切にしているし、僕にも優しく接してくれている。でもね、誰もこんな状況にいたいとは思わない。彼だってそうだし、僕もそうだ。この場所は、言ってみれば“魂を砕く”ようなところで、僕らが見ているのは、ただ周囲にいる人たちだけで、本来の自分とは違う姿なんだよ。」

タッカー・カールソン:「そりゃそうだろうな。でも、君たちは世界でも特に有名な囚人の二人だ。同じユニットにいるほかの囚人たちは、例えば武装強盗をしていたような人たちは、君らをどう思っているんだ?」
サム・バンクマン=フリード:「それがね、すごく面白いんだよ。もちろん、彼らの中には『これはすごい機会だ』って思っている人もいる。普通なら会えないような人に会えるって感じなんだろうね。最初に聞いたときは驚いたけど、彼らの視点からすると確かにそういう考え方もあるのかもしれない。でもね、僕にとって刑務所はそんな風に考える場所じゃないんだよ。」

タッカー・カールソン:「ごめん、ちょっと笑ってしまった。でも、君にとってはそんな場所じゃないっていうのはよく分かるよ。」
サム・バンクマン=フリード:「そうさ。でもね、笑うしかない時もあるんだ。ほかに選択肢がないからね。あと、彼らはチェスが得意だってことが分かった。英語を話せない元武装強盗で、おそらく中学校すら卒業していないような人たちが、意外にも結構チェスが強いんだ。もちろん、グランドマスター級ではないけど、しょっちゅう僕を打ち負かしてくるんだ。これは予想外だったよ。」

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