「フェイスブック、自力で変われない」内部告発者、法規制を支持
10/6(水)
【シリコンバレー時事】米インターネット交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(FB)を告発した元従業員の女性が5日、連邦議会上院小委員会の公聴会に出席し、「FBは子どもに害を与え、分裂をあおり、民主主義を弱めている。安全より利益を優先している」と証言した。
「FBは自力で変われない」とも述べ、法規制の強化を支持する立場を示した。
元従業員フランシス・ホーゲンさん(37)は、子どもに有害な情報などへの対策を怠ったとしてFBを告発。公聴会では、創業者のザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が55%の議決権を握り、会長も兼務する統治体制を「非常に特異」だとし、経営トップに最終責任があると主張した。小委員会はザッカーバーグ氏を追及する構えだ。
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ホーゲンさんは、FBが用いるアルゴリズム(人工知能による計算)が、怒りなど極端な反応を引き出す投稿を拡散する危険性を会社側は認識していたと指摘。ザッカーバーグ氏が拡散を抑える措置の導入を決めなかったと非難した。
その上で、FBなどSNS企業を監視する専門機関の創設を提言。企業が抱えるデータや調査結果を踏まえたルールを制定することで、利用者保護や市場の独占防止を図れると訴えた。
FBの渉外担当幹部は「多くの主張に同意しかねるが、ルールを作る時であることには賛成する。業界に期待するのではなく、議会自ら行動を起こすべきだ」とコメントした。
フェイスブックは常に自社利益優先、内部告発者が上院公聴会で証言
2021年10月6日 7:54 JST
米フェイスブックは自社プラットフォームがもたらす社会的およびメンタルヘルス面のリスクを十分に認識しているが、問題の解決があまりにも困難だと米議会が判断することを望んでいる。内部告発者が5日、議会公聴会でこう証言した。
元プロダクトマネジャーのフランシス・ホーゲン氏(37)は上院商業科学運輸委員会の小委員会で、フェイスブックが利益優先で対立をあおり、民主主義を損ない、最も年齢が低い同社ユーザーのメンタルヘルスに害を与えてきた実態を示す内部資料について証言した。同氏はこの内容を米証券取引委員会(SEC)および米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)と共有した。
ホーゲン氏は「フェイスブックが自社の利益と人々の安全の利害対立に何度も遭遇するのを私は目にした」と述べた上で「フェイスブックは常に自社の利益を優先する形でこうした利害の衝突を解決した。その結果、対立や悪影響、虚偽、脅威、争いが増えた」と語った。
フェイスブックに対する議会や監督当局の目が一層厳しくなる中で、この日の公聴会では同社の将来的な脆弱(ぜいじゃく)性についてより詳しい全体像が示された。
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ホーゲン氏は同社がもたらす国家安全保障上のリスクについて「議会の他の部門にも話している」と語った。一方、上院議員らは新たな規制のほか、消費者に対する詐欺的手法や証券詐欺の可能性に関する政府調査を求めた。
複数の上院議員は議会調査の一環として、フェイスブックの追加資料提出を求める召喚状の送付を支持すると表明した。
公聴会を開いた小委員会の委員長を務めるブルーメンソル上院議員は同社が「道徳的に破綻している」と指摘。「フェイスブックは自社製品が子供にとって中毒的で有害となり得ることを知っている」とし、「子供や家族に与える痛みより自社の利益に重きを置いている」と批判した。同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)に同委員会で証言させる必要があるとも述べた。
フェイスブックのポリシーコミュニケーション担当ディレクター、レナ・ピーチ氏は発表文で、ホーゲン氏が証言した多くの事項について同意できないとした上で、「インターネットの標準ルール策定を始める時だという一点については同意する」と述べた。ホーゲン氏が公開した内部文書には言及しなかった。
参考記事
画像:c-span.org