岸田氏vs高市氏 財政再建か、積極策か 対立で異例の事態に
1/7(金)
自民党内で財政政策を巡る主導権争いが起きている。積極財政の旗を振る高市早苗政調会長に対し、岸田文雄首相(総裁)が財政再建重視を主張。それぞれが直轄機関を置く異例の事態となり、路線対立が夏の参院選の公約策定作業に影響する可能性も出ている。
「財政は国の信頼の礎だ。足元の新型コロナウイルス対策と中長期的に財政健全化を考えることは決して矛盾しない」。首相は2021年12月、党本部で開かれた「財政健全化推進本部」(額賀福志郎本部長)の役員会初会合に出席し、こう強調した。
政府は近く、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標の検証作業に着手する。自民は政調内にあった「財政再建推進本部」を改組して健全化本部を作り、総裁直轄機関に「格上げ」。首相は党でも議論を始めるよう指示した。
同本部の役員でもない首相の出席は異例だが、これには伏線がある。健全化本部役員会の6日前、同じく「財政再建推進本部」を母体とする政調内組織「財政政策検討本部」の役員会が開かれた。同本部の発足は高市氏の肝いりで、組織名から「再建」の文字を外すなど、積極財政路線を鮮明にしたのだ。
高市氏は本部長に「過度のインフレにならない限り財政赤字は気にしなくてよい」とする「現代貨幣理論」(MMT)を支持する西田昌司参院議員を抜てき。「アベノミクス」として、機動的な財政出動を推進した安倍晋三元首相を最高顧問に招き、「積極財政を進める」とのメッセージを打ち出した。
高市氏は21年9月の総裁選で、25年度までのPB黒字化目標の凍結を含む経済政策「サナエノミクス」を掲げ、政調会長就任後も周辺に「財政健全化の看板はあり得ない」と語る。積極財政派は勢いづき、党内からは「財政再建派は絶滅危惧種だ」(中堅)との声すら出ている。
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首相は過度に歳出圧力が強まることを危惧。「会議出席はやり過ぎだ」と主張する側近を押し切り、健全化本部に姿を見せた。最高顧問に前財務相の麻生太郎副総裁を招き、本部長代理には自身が政調会長時代に財政健全化問題の議論を託した小渕優子氏を就けるなど、政策検討本部とのバランスを取った。
高市氏は党内最大派閥・安倍派を率いる安倍氏の後ろ盾を得ており、首相は押され気味だ。22年度予算編成の基本方針では、高市氏側が財政健全化に関する文言を弱め、同氏に近い議員は「官邸より党の力が高まった事例だ」と自賛した。
首相は巻き返しを狙い、高市氏に決定権を握らせず、茂木敏充幹事長に任せるケースが目立つ。18歳以下への10万円相当の給付を巡る与党協議は茂木氏が担ったほか、政権の目玉政策となる「こども家庭庁」に関する党内組織は茂木氏が本部長を務める。
「政策決定は最終的に政調会長の了承が必要で、外すことはできない」(政調幹部)と強気の高市氏側に対し、首相側近は「高市氏を重要案件に関わらせたくない」と警戒感を隠さない。参院選に向けた公約策定作業は近く始まる見通しで、党内からは早くも難航を予想する声が出ている。
ネットの声
岸田氏は本性出してきた。菅政権の時からまるで変わってきてる。公約も守っていない。
緊縮財政ばっかりしてるから30年もダラダラ低迷している。
借金まみれのアメリカの所得は伸びている。日本は財政出動をためらって失われた30年。
10万円の支出をためらって、しかも意味不明の18歳以下。岸田氏には何の期待もしていない。
財務省の言いなりの岸田氏。過去の反省のもと思い切って支出すべき。
MMTに全て賛成と言うわけではないけど、ある程度の財政出動しないともたない。国民は疲弊している。
岸田氏の経済政策は緊縮政策で、中国依存経済、さらに新自由主義。そのうち大増税がくる。