米議会 超党派で中国対抗措置法案 尖閣諸島の防衛義務も明記
2021年4月9日 19時28分
「新冷戦」と呼ばれるほどアメリカと中国の対立が深まる中、アメリカ議会上院の外交委員会は、超党派で、政府がとるべき中国への対抗措置をまとめた法案を明らかにし、この中で沖縄県の尖閣諸島の防衛義務を明記するなど、議会としても中国への対抗姿勢を鮮明にしています。
アメリカ議会上院の外交委員会は、8日、「戦略的競争法」と呼ばれる、超党派の新たな法案を明らかにしました。
法案は、280ページにおよび、アメリカ政府が取るべき中国への対抗措置を幅広く挙げています。
日本を極めて重要な同盟国とし、尖閣諸島について「日米安全保障条約第5条の適用対象だと再確認
このうち、同盟国については、日本を、韓国などとともに「極めて重要な同盟国」と位置づけて安全保障面や経済面での協力を深めるとする一方で、同盟国には、共通の利益を守るため防衛能力の向上などを促すとしています。
また、沖縄県の尖閣諸島について「アメリカによる防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だと再確認する」と明記しています。
さらに、法案は、台湾との関係も強化し、高官どうしの交流に制限を設けないとしているほか、「米中関係において基本的な自由と人権の保護を優先する」として、新疆ウイグル自治区での強制労働に関わった中国の当局者などに制裁を科すとしています。
法案について、上院外交委員会のメネンデス委員長は「かつてない超党派の試みで、中国による挑戦に対抗するためあらゆる手段を動員するものだ」という声明を出し、議会としても中国への対抗姿勢を鮮明にしています。
中国外務省「断固として反対する」
アメリカ議会上院の外交委員会が超党派で中国への対抗措置をまとめた法案を明らかにしたことについて、中国外務省の趙立堅報道官は、9日の記者会見で「法案に断固として反対する。中国はアメリカと衝突したり対抗したりするのではなく、ウィンウィンの関係を築こうとしているが、主権や安全保障、発展の利益はしっかりと守っていく」と述べて、強く反発しました。
エラー|NHK NEWS WEB
岸防衛相「尖閣諸島は日本固有の領土」であり、それ以外の答えはないと発言している
尖閣諸島は日本固有の領土。それ以外の答えは存在しません。 https://t.co/oGsHpULrP9
— 岸信夫 (@KishiNobuo) March 18, 2021