タリバン「脱麻薬ビジネス」に疑念 海外支援相次ぎ停止、重要資金源
8/21(土)
【シンガポール=森浩】アフガニスタンでイスラム原理主義勢力タリバンが実権を握ってから22日で1週間を迎えたが、アフガン経済が苦境に陥る可能性が高まっている。国家財政は海外援助に依存してきたが、既に欧米各国が相次いで資産凍結や支援中止を表明したためだ。タリバンが重要資金源である「麻薬ビジネス」の強化に踏み切る懸念が上がっている。
「タリバンは軍事的に勝利したが、今は統治しなければならない。それは簡単ではない」。アフガン中央銀行のアフマディ総裁代行は18日、ツイッターで警鐘を鳴らし、経済の困窮が統治の足かせになるとの見通しを示した。
アフマディ氏は中銀の保有資産は先週時点で90億ドル(約9900億円)ほどだが、米国がアフガン政府が米国内で保有する資産を凍結したことで、タリバンが利用できるのは「0・1~0・2%」との見方を示した。
財政の逼迫(ひっぱく)は目に見えている。
アフガンは農業が主要産業だが、国内の戦乱を経て疲弊は深刻だ。年によってばらつきはあるが、国家予算の5~8割は海外支援が占め、国際通貨基金(IMF)は「援助があるから経済が崩壊しなかった」と指摘した。IMFやドイツは既に支援中止を表明しており、他国が追随すれば困窮は一気に深まる。
タリバンの新政権はまだ発足したとはいえず、経済政策も見通せない中で、麻薬ビジネスの行方に注目が集まっている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、麻薬ビジネスに代表される既存の収入源は「(海外支援の)損失を部分的に相殺するのに十分な大きさだ」と分析した。
アフガンはアヘンやヘロインの原材料であるケシの産地だ。2020年に世界で出回ったアヘンの84%がアフガン由来と推定され、ほとんどはタリバンの支配地域で生産された。薬物密売などの収益を含めると、麻薬ビジネスは国内総生産(GDP)の11%に達するとの推計もある。
タリバン報道官「麻薬の生産も、麻薬の密輸もしない」と発言。条件として、「国際社会の援助」
国連薬物犯罪事務所(UNODC)は今年6月、タリバンがケシ農家から上納金などとして「年間1450万ドル(約16億円)を得ているとみられる」と報告した。密売益を加えれば巨額の資金を得ていることは確実だ。
タリバン報道官は17日の記者会見で「麻薬の生産も、麻薬の密輸もしない」と発言したが、その条件として、ケシ以外の作物を栽培するための「国際社会の援助が必要だ」とも付け加えた。タリバンは「全国民に恩赦を与える」と融和姿勢を打ち出しつつ、無防備な市民の殺害や暴行を繰り返しているだけに、報道官の「脱麻薬ビジネス」発言には疑問の声が上がっている。(産経新聞)
ネットの声
麻薬ビジネスがなくなったら、あっという間に滅ぶだろう。彼らはやるのではないか?
やってることが完全にマフィア。こんな国家を認めろと言った国会議員がいたことに呆れる。
某国が支援するだろう。困らない。
国家として認めるべきでは無いし、ボランティアでも、日本人が行くのは禁止して方が良い。
GDPの11%では賄えない。焼け石に水だとは思うけど悪党と手を握る悪党がいるからタチが悪い。