「首に鎖つながれた母親」中国で波紋 SNS拡散、当局は報道規制し収拾急ぐ
2/13(日) 9:33配信
【北京・坂本信博】中国の会員制交流サイト(SNS)で1月下旬以降、江蘇省徐州市豊県にある農村の粗末な小屋で首に鎖をつながれた女性の動画が拡散され、波紋が広がっている。女性には子どもが8人おり、地元当局は今月10日になって、この女性を人◯売買したり監禁したりした容疑で女性の夫(55)ら3人を拘束したと発表。当局は、北京冬季五輪の期間中に人権問題に注目が集まることを警戒しており、事態の収拾を急いでいる。
動画は慈善活動家とみられる男性が撮影し、1月下旬にSNSに投稿。女性は意思疎通がうまくできず、歯がほとんど残っていなかった。ネット上では、女性が過去に行方不明になった人物に似ているとして、人身◯買や性的虐待を疑う声が相次ぎ、中国で社会問題化している子どもや女性の誘拐、人身◯買への関心があらためて高まった。女性は保護され、病院で治療を受けたという。
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地元当局は当初、「女性には精神疾患があり、子どもや老人を殴ることがあった」と強調して沈静化を図ろうとしたが、虐待を正当化していると世論の猛反発を招いた。その後、当局は一転して法律違反の疑いで夫を調べていると発表し、この事件に関連する報道を規制。10日になって、女性の夫を監禁容疑で、女性を誘拐して売った疑いで雲南省の女(48)と男(67)をそれぞれ拘束したと発表した。女性はDNA鑑定で、行方不明になっていた同省出身者と判明したという。
女性の夫は「8人の子を持つパパ」として地元で有名な存在で、中国のウェブメディアでも「少子化の救世主」として好意的に取り上げられていた。当局は、8人はいずれもこの男と女性の実子と発表。女性と一家の生活や子どもたちの教育に適切な保障を提供していると強調した。(西日本新聞社)
首に鎖の女性、当局が4度目の声明 ようやく「人身◯買」認める 夫らを拘束
2022年2月11日中国
中国国内では、江蘇省の女性が首を鎖でつながれ監禁されていた問題をめぐって、波紋が続いている。地元当局は世論の圧力を受けて10日、4回目の声明を発表し、ようやく人身売買があったとして女性の夫らを拘束した。事件の経緯をめぐる説明は二転三転し、市民の不信感を増幅させている。
1月28日、中国国内SNS上で、徐州市豊県の女性住民が造りの粗末な小屋に監禁されている動画が投稿された。厳冬のなかで女性は薄着で、首には鎖が巻かれている。女性は8人の子どもを持つ母親でもある。
この動画は中国で高い関心を集めた。女性が人身◯買の被害者だとする指摘が相次ぎ、地元政府に対して「犯罪グループを庇っている」と批判を浴びせた。
1回目、「人身◯買はない」
1月28日に行った1回目の声明では、女性は1998年8月に今の夫と結婚したとし、人身◯買の疑いはないと述べた。
2回目も人身◯買を否定
同月30日に発表した2回目の声明では、楊さんは「1998年6月に物乞いをしていたところ、その夫の父親(故人)に引き取られた」という。「人身◯買はなかった」と再び強調した。また、女性の苗字は夫が付けたものだとした。
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3回目、「行方不明になったが家族に連絡せず」
ネットユーザーらは女性が1998年に行方不明になった当時13歳の少女だと疑っており、DNA鑑定を行うよう当局に求めている。
4回目、「人身◯買があった」
10日、徐州市は4回目の声明を発表した。雲南省在住の同母異父の妹と亡くなった母親の生前の持ち物からDNAを採取し、鑑定した結果、親族であることを発表した。桑(48)とその夫(67)を人身◯買の容疑で、女性の夫を不法監禁の容疑でそれぞれ逮捕したという。
世論は、二転三転する地元当局の説明は「ますます怪しい」と納得しない様子。なかに、地元当局の幹部にも責任を追及すべきだとの声がある。(epochtimes抜粋)