Amazon創業者、バイデン大統領を批判 法人増税巡り
2022年5月15日
【シリコンバレー=白石武志】米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏が13日夜、ツイッター上でバイデン米大統領にくってかかる場面があった。米国で約40年ぶりの水準となったインフレの対策として収益性の高い企業への課税強化を呼びかけたバイデン氏のツイートに直接返信するかたちで、「ミスディレクション(誤った指図)だ」と批判した。
発端となったのはバイデン氏が13日午後に投稿した「インフレを倒したいのか?(ならば)最も裕福な企業に公平な負担を払わせよう」とのツイートだ。政権の命運を左右する米中間選挙が半年後に迫り、インフレ抑制策が最優先課題となるなか、有権者に聞こえのいい法人増税をほのめかしたとみられる。
米メディアによるとアマゾンは2017年と18年の米連邦所得税を払っていない。バイデン氏は20年の米大統領選の最中から度々、同社をやり玉に挙げてきた。21年3月の米東部ペンシルベニア州での演説では「様々な抜け道を利用し、連邦所得税を1ペニーも払わずに済んでいる」と強い表現で非難している。
バイデン氏の13日付のツイートはアマゾンを直接名指ししなかったものの、ベゾス氏には見過ごせる内容ではなかったようだ。同氏は同日夜、バイデン氏の投稿への返信のなかで「法人税の引き上げを議論するのは良いことだ。インフレを抑えることは重要な議論だ。(ただし)これらを一緒にするのは、単なるミスディレクションだ」と書き込んだ。
ベゾス氏は投稿のなかで「新しくできた偽情報委員会はこのツイートをよく調べるべきだ」とも指摘した。バイデン米政権がネット上などで流布する偽情報対策を強化するために4月末に米国土安全保障省に設置すると発表した「ディスインフォメーション・ガバナンス・ボード(DGB)」を指しているとみられる。DGBは米民主党側に有利な言論統制を推進する組織だとして、米共和党から批判を浴びている。ベゾス氏はこうした政権批判に乗っかった格好だ。
ベゾス氏は「あるいは代わりに『不合理な推論』委員会を新たに設立する必要があるかもしれない」とも述べ、インフレ退治と法人増税の議論を混同するかのようなバイデン氏の投稿を痛烈に皮肉った。一般にはインフレ抑制には法人税ではなく金利が重要であると考えられている。(日経新聞)
ベゾス氏「誤った方向に誘導することは、国を助けることにはならない。」
実際、政権は、すでに過熱したインフレ経済にさらに刺激策を注入しようと懸命になっており、マンチン氏だけがそれを救った(*)のである。インフレは逆進性の高い税であり、最も裕福でない人々を最も苦しめる。誤った方向に誘導することは、国を救うことにはならない。
In fact, the administration tried hard to inject even more stimulus into an already over-heated, inflationary economy and only Manchin saved them from themselves. Inflation is a regressive tax that most hurts the least affluent. Misdirection doesn’t help the country. https://t.co/a8cygcunEG
— Jeff Bezos (@JeffBezos) May 15, 2022
(*)バイデンの社会主義法案(BBB法案)を、民主党のマンチン議員が共和党と一緒に反対した。結果、上院で49:51で否決された。
ジェフ・ベゾス氏「新しくできた偽情報委員会はこのツイートを(偽情報として)調査すべきだ」
ジェフ・ベゾス「新しくできた偽情報委員会はこのツイートを調査すべきだろうし、代わりに「不合理な推論委員会」を新たに作る必要があるかもしれない。法人税の引き上げを議論するのは良いことだ。インフレを抑制することは重要な議論だ。この2つを一緒にするのは、単なるミスディレクションだ」
バイデン「インフレを抑えたいのですか?最も裕福な企業が公平に負担するようにしよう」
The newly created Disinformation Board should review this tweet, or maybe they need to form a new Non Sequitur Board instead. Raising corp taxes is fine to discuss. Taming inflation is critical to discuss. Mushing them together is just misdirection. https://t.co/ye4XiNNc2v
— Jeff Bezos (@JeffBezos) May 14, 2022