米議会下院 中国に関する特別委設置決定 “中国の脅威に対抗”
2023年1月11日
野党・共和党が多数派を占めるアメリカ議会下院に、中国の経済力や軍事的な脅威に対抗するための特別委員会の設置が決まり、今後、中国に対するアメリカの姿勢は一段と強硬になる可能性もあります。
この特別委員会は、去年の中間選挙で多数派を奪還した共和党のマッカーシー下院議長が選挙の公約として設置を掲げていたもので、アメリカに対する中国の貿易上や軍事的な脅威に対抗するとしています。
具体的には、経済面での中国依存の見直しや、アメリカ国内のサプライチェーン=供給網の強化、それに知的財産の保護などに向けて調査や政策提言を行うとしています。
採決に先立ち、議会で演説したマッカーシー議長は、「共産主義者の中国が突きつける脅威は深刻だ。特別委員会の設置は、こうした脅威に対応する最もよい方法だ。われわれはこれ以上、中国に依存せず、中国に対し、ぜい弱であることもない」と強調しました。
「下院の共和党は新型コロナウイルスが出現した当初の中国の対応や、中国の人権状況、台湾問題などに関するたくさんの公聴会を開く見通しだ。バイデン政権はこうした公聴会への対応で、弱腰と見られないようにふるまうことを強いられ、対中政策はすでに固まっているとは言っても、より強硬な方策をとることになるかもしれない」との見方を示しました。
下院が中国を調査する委員会を設立する決議案を可決
「中国に関する新しい特別委員会は、米国に雇用を取り戻し、知的財産を保護し、農地を保護することに焦点を当てます」とマッカーシー氏は述べました。委員会は、中国に対する米国の競争力を高めることを目的としています。
委員会は、中国共産党の経済、技術、安全保障の進歩を調査する 16 人のメンバーで構成される。
146 人の民主党員が共和党員と共に委員会の創設を支持し、365 対 65 の投票で承認されました。この動きにより、ウィスコンシン州の共和党下院議員であるマイク・ギャラガーの議長職の地位が固まった。マイク・ギャラガーは先月、ケビン・マッカーシー下院議長からパネルを率いるよう指名され 、中国政府との「新冷戦」について警告を発している。(TGP)