米下院、彭帥さん対応めぐりIOC批判決議
2021/12/9
米下院は8日、中国最高指導部の元メンバーに性的関係を迫られたと暴露した同国のテニス選手、彭帥さんをめぐる国際オリンピック委員会(IOC)の対応を批判する決議案を全会一致で可決した。彭さんが無事だとする中国側の主張をうのみにしており「北京冬季五輪に参加する選手の権利を守る意志や能力があるのか疑問だ」と非難した。
決議は彭さんの問題について、北京五輪で選手の言論の自由や安全が守られるかどうか国際社会が抱く懸念と直結していると強調した。IOCに関し、バッハ会長がテレビ電話で彭さんの無事を確認したと発表する一方で、通話が設定された経緯を明らかにしていないと指摘。中国側の主張を正当化しており「人権擁護への取り組みを怠った」と批判した。
中国に対し、検証可能な形で彭さんの無事を証明し、最高指導部の元メンバーである張高麗元副首相が彭さんに性的関係を迫った疑惑を調査するよう要求した。(共同)
IOCは北京の彭帥さんの「失踪」を幇助(ほうじょ)したと米議会決議で指摘
2021年12月4日
「IOCは、オリンピックのテニススターである彭帥の幸福よりも、中国共産党とオリンピックのスポンサー企業をなだめることを重視している」
下院議員は共産党に対し、元副首相に対する性的暴行の訴えを検閲することを止め、希望すれば中国を離れることを認めるよう求めた。
米国の超党派議員ペアは金曜日、国際オリンピック委員会が、テニス界のスーパースターである彭帥が北京の元共産党幹部に対する性的暴行の訴えを中国当局がホワイトウォッシュすることに協力したと非難する決議案を提出した。
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2013年から2018年まで中国共産党の副首相を務めていた張高麗氏から性的暴行を受け、性的関係を強要されたと、中国のソーシャルメディアサイト「Weibo」の投稿で述べた。
「3度のオリンピックに出場した鵬秀愛選手が行方不明になった」と、バージニア州の民主党員であるジェニファー・ウェクストン下院議員とフロリダ州の共和党員であるマイケル・ワルツ下院議員が決議した。
「IOC指導部が中国共産党幹部と協力して、彭帥の性的暴行と失踪の疑惑を隠蔽する役割を果たしたことは、虐待者に責任を負わせ、2022年の北京オリンピック・パラリンピックに参加するアスリートを保護する組織の能力と意思に疑問を投げかけるものである」としている。