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トランプ大統領の「大統領に復帰したらウクライナ支援を停止する」という発言の真意は何か(TNW)

政治

トランプ氏「大統領に復帰したらウクライナ支援を停止する」発言の真意について

トランプ大統領が、3月4日、保守派のイベントCPACで「大統領に就任したら、ウクライナ支援を停止すると述べた」と述べました。この発言はテレビ朝日でも報道があり、一部日本の保守から「とち狂ったのか」等の批判がありました。

トランプ前大統領は4日、共和党保守派による大規模イベントの演説で大統領への返り咲きに自信を示し、そうなれば、最優先でウクライナ支援を止めると表明しました。テレビ朝日

しかし、トランプ大統領の言葉は真意ではありません。

アメリカの保守はいま、反ウクライナです。トランプ大統領は保守派の考えを汲み取り、意向に沿った発言をすることにより、来る大統領選で保守派の支持を集めようと考えたのです。

大統領に返り咲いたとしても、ウクライナ支援をやめることはないと断言できます。

さらに、本当のところ、アメリカの保守派もトランプ大統領も本当にウクライナ支援を止めるべきだとは考えてはいません。その真意はバイデン批判にあるからです。

アメリカの保守派の反ウクライナの理由は大きく分けて3つあります

1.バイデンのウクライナ不正への批判(ブリスマとマネロン疑惑)

バイデンがウクライナの「ブリスマの汚職」を圧力をかけて潰し、その後ハンター経由で利益を得ていたという疑惑。疑惑というよりももはや真実です。

・2014年、バイデン副大統領がウクライナのブリスマという会社の汚職問題担当になった
・その2週間後、息子のハンターバイデンがブリスマの取締役になった
・2015年、ウクライナがブリスマの汚職問題の捜査に入ろうとしたが、バイデン副大統領がブリスマの汚職問題の捜査に介入し止めさせた
・その後、ハンター経由で利益を得ていた

バイデンはハンターのビジネスには関わったことがないと今でも主張していますが、ハンター・バイデンのノートパソコンには、バイデンが副大統領を務めていた時に、父親の影響力を利用してビジネス取引を行ったという証拠が含まれていました。

息子の依頼で、ジョー・バイデンは、エネルギーや東欧での経験がないにもかかわらず、高給取りの役員としてハンターを雇ったウクライナのエネルギー企業ブリズマの顧問、ヴァディム・ポジャルスキーと会ったと伝えられています。

米紙ニューヨーク・ポストは10月14日、バイデン前副大統領が息子ハンター氏の仲介で、不正疑惑の渦中にあったウクライナ企業の幹部と面会していたと報じた。幹部がハンター氏に送ったメールを入手したという。バイデン氏の選挙陣営は面会を否定したが、議会は事実関係の調査を始めた。(2020/10/15 日経新聞)

保守派はバイデンがウクライナから不正により利益を得ていることに怒っているのです。

そして、保守派はまた、バイデンがウクライナへの支援している金は、回り回って、マネーロンダリングにより、また不正にバイデンの元に入ってきていると考えています。これについてはまだ証拠は出ていませんが、バイデンとウクライナの関係からはあり得ないことはない、十分に考えられることだと思います。

・バイデン – 年老いて足が不自由なバイデンがウクライナに行き、アメリカ人に2千万ドルと命を奪った戦争を支援した。 マネーロンダリングで私腹を肥やす。

2.そもそも、バイデンの大失態でロシアがウクライナを侵略した

ロシアがウクライナの国境に大量の兵を集結させていた時、こともあろうにバイデンは「米軍を派遣しない」と明言したのです。これは大失態中の大失態で、これによりロシアは安心してウクライナに侵攻し、現在戦争は長引き終戦の兆しさえありません。

バイデン氏、ウクライナ退避で「軍派遣しない」明言

2022/2/11 バイデン米大統領は10日、ロシアがウクライナに侵攻した場合、同国内にとどまる米国民の退避のために米軍を派遣する考えはないと言明した。(産経新聞)

これについては、トランプ大統領は、「私が大統領だったら、ロシアはウクライナに侵攻しなかった」と何度も述べています。3月4日のCPACでもバイデンを茶化しながら、この点に言及しています。

トランプ大統領「もし私が大統領だったら、ロシアとウクライナの戦争は決して起こらなかっただろうが、今でも、もし大統領なら、この恐ろしく急速にエスカレートする戦争を24時間以内に終結させる交渉ができるだろう。こんな悲惨な人命の浪費はない!」(2023.1.7)

保守派は「バイデンの外交力のなさ、戦争オンチ」によって米国や世界が被害を被ったことに怒っているのです。

3.アメリカラストのバイデン。バイデンはウクライナを支援してばかりで、アメリカに目を向けない。

日本と同様に、保守派が一番怒っているのはこの点、「外国ファースト、自国ラスト」です。

バイデンはこれまでウクライナに世界最大、世界の支援額のおよそ半分の約10兆円の支援を行っています。一方、自国の国境が破壊され移民が大量に入んで治安が乱れていること、民主党政権の街が犯罪都市と化していること、インフレで市民が日用品さえ買えない状態であること、災害を受けた市民が苦しんでいること、については知らん顔で関心を向けず、金を注ぎ込もうともしません。

支援額が最も多いのがアメリカで731億ユーロ、日本円でおよそ10兆円にのぼり全体の支援額(1436億)の半分を占めています。次いで、EU=ヨーロッパ連合が350億ユーロ、およそ5兆円、イギリスが83億ユーロ、およそ1兆1000億円、ドイツが61億ユーロ、およそ8700億円、カナダが40億ユーロおよそ5700億円などとなっています。また、日本は10.5億ユーロで10位となっています。(NHK)

このことに対する保守派の批判は凄まじいものがあります。

・スリーピー・ジョーは国境を守らないが、ウクライナの国境は確保する。バイデンはアメリカ・ラストだ。

共和党マット・ゲイツ下院議員「2022年、米国の年金不足額は1.4兆ドル!では、なぜバイデン政権は、米国の納税者がウクライナの年金を負担することを良しとするか。国防総省の高官はそれに答えることができない。

オハイオ州で列車事故が起き、有害物質が撒き散らされ、インフラが壊滅的打撃を受けたイーストパレンティーンの被災地をトランプ大統領はいち早く訪れましたが、バイデンはいまだに訪問していません。それどころか、事故が起きても1週間はコメントを出しませんでした。

・「来てくれて本当にありがとう」「バイデンは来ないが、あなたは来てくれた」「I LOVE YOU」住民は口々に叫ぶ

トランプ大統領の真意

トランプ大統領は3月4日のCPACでの演説の前のインタビューで、「欧州はウクライナに金を使うべきだ」と述べました。そもそもウクライナは欧州の問題だろう。自分たちで解決しろ(金を使え)と。

・トランプ氏、欧州がウクライナのツケを払う必要があると発言。”ヨーロッパはお金を使い始めるべきだ”

保守派やトランプ大統領はウクライナの支援をやめろというよりは、アメリカの悲惨な実態に目を向けろ、金を注ぎ込めと言っています。

もし、バイデンが国境、麻薬、犯罪、そして国内の惨事、オハイオのイーストパレンティーンの大惨事、に十分な対策と金を使っていたら、ウクライナ批判も、起きてはいないでしょう。

参考記事

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